そしてまっちくんは、小さなころから「特定の物を持って、それをずっと眺めながら同じ直線を何度も行ったり来たり走る行動」(常同行動※)が見られました。一見すると不思議な動きですが、その行動はまっちくんにとって、気持ちを癒やす大切な時間だったようです。
(※)常同行動:一見すると目的もなく、一定の行動(動作)を繰り返しおこなうこと
幼稚園年長の終わりごろ、常同行動の頻度が増えたこともあり、発達検査を予約。しかし予約待ちのため、検査する前に小学校へ入学すること。
入学直前、ねこじまさんが常同行動のことについてまっちくんに話をしてみると、「変な人って思われたら嫌だから、学校ではやらないよ」と思わぬ返事が返って来ました。まっちくんなりに自分の行動を客観的に捉えていたのです。
しかし入学後、常同行動をする際のお気に入りのおもちゃを学校へ持っていけないことに不満を漏らすまっちくん。その様子に、ねこじまさんも悩んでいて……。
無理にでも行かせるべきなのか…
ねこじまさんが意識をしていたのは、「学校に行けない=ダメな子」とは感じさせないようにすること。まっちくんには、良いところがたくさんあるから、学校に行けないというだけで本人を否定しない・追い詰めないようにしていたとのこと。
学校へ行けなかった日には、まっちくん自身が「明日は頑張るね」と言うときもあり、「気楽に考えて」と声をかけていたそうです。
当時、ねこじまさん自身が働いていない時期で対応可能だったこと、長女のときに似たような経験があったことや、まだ小さな下の子がいたこともあったため、登校に関して「無理をしない」という選択をしたねこじまさん。今振り返っても、このときはこの選択でよかったと思っているそうです。
正解がわからない選択を迫られたとき、どうすれば最善なのか?と悩んでしまいますよね。その時々でじっくりと考えて納得できる選択をすることで、あとから振り返ったときに後悔が少なくなるかもしれません。
「失敗は成功のもと」という言葉にもあるように、うまくいかなかったときには、また試行錯誤すればいいだけ。手探りでも前向きに行動することで、最後には納得できる結果に結びつくのではないでしょうか。