パニ子は30歳の会社員。夫のタケシと4歳の娘、パニ美との3人で仲良く暮らしています。出会った当初は昔ながらの価値観で亭主関白気味だったタケシでしたが、パニ子と一緒に暮らすうちに家事や育児も積極的にするようになりました。
そんなある日の夜チャイムが鳴り、玄関を開けてみると……
突然義母が居候!?
大きな荷物を持った義母が立っていました。驚いたタケシが「か、母さん……? 突然どうしたの?」と聞いてみると「もうあの家には戻りません! 今日からこの家で暮らします!」と宣言したのです。
義母は『嫁は家に居て夫を支えるべき!』という考え方の人で、働いているパニ子に嫌味ばかり言ってくるため、パニ子は義母が苦手。「パニ子さん、夜ご飯は何かしら?」と当然のように言ってきます。
そんな義母の様子を見たパニ美は、「ばあば、わが家の一員なら家のことをちゃんとやらないとダメだよ!」と言ってくれました。
義母VS妻
パニ子は、義母と同居していた義姉に家出の理由を電話で聞いてみました。すると、これまで義母にこき使われてきた義姉が積もり積もった不満を爆発させたところ、義母が逆ギレして飛び出したとのこと。
義姉は義母だけでなく、助けてくれなかった義父や夫にも激怒しており、「お義母さんのことはパニ子さんに任せるわ」と言ってきました。これを聞いて、パニ子は義母を教育しなおそうと決意します。
連日居座り、家事も一切せず当たり前のように「私はあなたの主人の母親、つまりあなたより偉いのよ! 言うことを聞いていればいいの!」と言ってくる義母に「私はあなたの奴隷でもないし、タケシの召使いでもありません。わが家では、自分のことは自分でやることになっていますから」と伝えます。
タケシも応戦してくれますが、「あんたが甘いから、嫁がこんなにつけあがるのよ!」と言われタジタジです。「食事をするなら食費は出してもらいますし、一緒に住むのなら家事もやってもらいます!」とパニ子は強気で言い返しました。
義母の変化
義母が洗濯や料理に関するクレームを出すと、パニ子は「それなら、お義母さんがやってください」と伝え続け、その結果ほとんどの家事を義母がやってくれるようになりました。
おまけに義母が少しでもパニ子に嫌味を言ったら、すぐにタケシやパニ美が味方についてくれます。パニ美にも折りに触れ「ばあばったら、また古臭いこと言ってる~」と言うので、義母は少しずつ考えを変えていきました。
「いつもスマホばかり見て! そんなことしている暇があったら、もっと家事とか育児に時間を掛けなさい!」と言ってくる義母に、「いやいや、今はスマホで情報収集して家事や育児に役立てるのが普通なんですよ」と伝えたパニ子。
「もしよければ、明日一緒にスマホに買いに行きませんか?」と誘い、義母はスマホを購入。その結果、義母は動画やドラマなどをスマホで見て楽しんだり、家事の時短テクを調べて実践するように。スマホ教室に通いだし、新しい友達と遊んだりして、楽しい日々を送るようになりました。
涙を流して和解の夜
夕飯を作ってくれる義母のおかげで、ゆっくりと夕食をとれるようになったパニ子。
ある日、パニ子が会社でとても優秀だと言う話をタケシから聞くと、「パニ子さんって、すごいのね……」と義母は素直に認めてくれました。そんな義母にパニ子が、「お義母さん、私が頑張って働けているのはタケシやパニ美のお陰ですよ。それに、最近はお義母さんが色々やってくれるから家族の時間も増えて、ますます充実して絶好調なんです。いつもありがとうございます!」と感謝の気持ちを伝えました。
すると、義母の目から大粒の涙が……! そして、これまでの行動を謝罪し、「今の時代を楽しそうに生きている嫁たちに嫉妬していたの。でも私が間違っていたわ、ごめんなさいね」と気持ちを伝えてくれました。
その後、義母は義姉にも謝りたいと、家に帰ることを決意。そして実家に帰ると義姉に謝罪し、和解。一緒に家事をするようになったのだとか。そして、亭主関白気味の義兄と義父を教育しているそうですよ。
今まで義実家に帰ることが憂鬱だったパニ子でしたが、今年は帰省をとても楽しみにしています。