2カ月前に娘のパニ美を出産し、育児休暇中のパニ子。夫のタツオもパニ美が生まれるのを楽しみにしていて、毎日張り切って仕事に出掛けていました。困っているのは近所に住む義母のこと。妊娠がわかって以来、お節介に磨きがかかっているのです。出産直後に押しかけられてはたまらないと思ったパニ子は、里帰り出産を決めました。しかし、里帰りから帰ってすぐのことーー。
変わってしまった夫
義母にバレないようにこっそり帰宅したパニ子。毎日家事と育児に追われてクタクタです。でもパニ子をどっと疲れさせているのがタツオです。出産前はあんなに張り切っていたのに、いざ子育てが始まってみると何も手伝わず、文句ばかり。昨日も仕事から帰ってすぐに夕飯が出てこないことが不満で、イライラしていました。
パニ子が「食事の支度をする間、パニ美にミルクをあげてほしい」と頼むと「は? なんで俺が?」と苛立った返事。結局ブツブツ文句を言いながらパニ美のお世話をしていました。
「妻が家事を押し付けてくる!」
あるときパニ子はパニ美を寝かしつけながら一緒に寝てしまいました。しかし、仕事から帰ってきたタツオに叩き起こされたのです。
「こんな時間から寝ているなんていい身分だな!」
「ごめん、疲れちゃって……」とパニ子が言うと「1日中家にいるくせに疲れるわけないだろ!」と横柄な態度。これ以上言い争うとパニ美が起きてしまうと思ったパニ子は、グッと我慢してタツオの食事を作りにキッチンに立ったのです。
その日の夜、パニ子が寝ているとリビングから電話をする声が聞こえてきます。耳を澄ますと「出産してからパニ子がサボってて……育児も俺に押し付けるし」とパニ子の愚痴。そしてタツオは、家事育児を手伝ってもらうために義母を家に呼んでいたのです。
まるで地獄!?
翌朝早く、大きなスーツケースを持って義母はやってきました。手伝いに来られるだけでも負担なのに、義母は同居する気でいるようです。おかげで地獄のような毎日が始まりました。
手伝いにきたはずが、義母は指示出しと文句ばかりで手は動かしません。パニ子にはパニ子のペースがあるのに、義母のせいでぐちゃぐちゃです。それでも文句を言われたくないパニ子は、寝る間も惜しんで家事をしていました。
しかしそれももう限界。義母に帰るように伝えてほしいとタツオに頼むも、聞く耳持たず、家がきれいで時間通りに食事が出てくるのは義母のおかげだと言います。それならタツオが家事を手伝ってほしいと伝えると「俺に養ってもらってるんだから家事くらいひとりでやれ!」と、パニ子は心底呆れてしまいます。
我慢の限界を超えたパニ子は、その日のうちにパニ美を連れて出ていくことにしました。
妻の決心に夫は…
「お義母さんを追い出さないなら私が出ていく!」
タツオは慌てて引き留めようとしますが、パニ子の決心は揺らぎません。
「育児も家事も手伝わないなんてそれでも父親?! もうパニ美には会わないでいいから! さようなら!」
パニ子が本気だとわかったタツオと義母は必死で止めにかかります。あれだけひどい態度をとっていたのに急な手のひら返し。パニ美に会えなくなるのは嫌だったのか、パニ子を説得しはじめました。
今がチャンス! と思ったパニ子。まず、義母を勝手に家に招かないよう約束をしました。そして家事育児は分担をすること、時期が来たらパニ子の職場復帰を認めることなど、これまで納得できずにいたことを改めて話し合い、結婚生活を継続することを決めたのでした。
家事・育児は夫婦で支え合っておこなうもの。何も言わずとも双方を思いやって分担できるのが理想ですが、パニ子たちのようにしっかり話し合うのも一案ですね。
タツオが夫として父として、改心することを願います。