毎月休みをとる後輩に話を聞くことに
過去に美容部員として働いていた私。私が勤めていた化粧品売り場はデパートの中にあり、副店長である私と店長以外には、20代前半のスタッフが4人働いていました。店舗の運営などでいつも忙しい店長に代わり、副店長の立場だった私は、他のスタッフとの橋渡し的な役割も担当。スタッフ同士で一緒にお酒を飲みに行く機会も多く、何かあれば相談しやすい環境を作れていると私は捉えていました。
そんなある日、新卒で入ったスタッフが体調不良を理由に毎月1〜2日ほど休むようになったのです。シフト制で回しているので、急なお休みだとシフトを調整しなくてはいけなくなり、他のスタッフの業務にも支障が出てしまいます。そのため、後輩の休みが2〜3回ほど続いたあと、私は彼女をランチに誘って理由を尋ねてみることにしました。
すると、彼女は毎月の生理痛がひどく、特に生理1日目・2日目は立ちっぱなしで接客をするのがつらいと打ち明けてくれたのです。私はそこまで生理痛が重くないほうなので、まさか立ち仕事が彼女の負担になっているとは思いもよらず、せっかく話してくれたのだからどうにか助けてあげたいと考えました。
女性の職場でも生理は言い出しにくいもの?
その後、彼女から事情を説明してもいいとの了承を得て、店長とも話し合いをしました。女性だけの職場だからこそ、遅かれ早かれいつかは直面する問題だと考えると、今すぐ対策を練って解決すべきだと思ったのです。この問題を解決し、スタッフのみんなに長く快適に働いてほしいという思いもありました。
店長と話し合った結果、改めて生理休暇の制度をスタッフ全員に浸透させることに。まずは店長や副店長の私たちから生理休暇を積極的に利用するようにしました。生理休暇を当たり前に取れる職場なら生理で休んだとしても気持ちがラクになりますし、生理期間中に頑張って出勤して途中で体調が悪くなったときでも、周囲に相談しやすい雰囲気ができるだろうと考えたのです。
さらに、誰かが急に休んだときでも仕事が回るよう、新しいスタッフを雇って1人ひとりの負担を軽減できるようにもしました。
ひと口に「生理」と言っても、腹痛、腰痛、頭痛、吐き気など、症状にはきっと個人差があるはずです。そのため、症状がつらいときにはバックヤードで座りながらできる仕事を振るなど、それぞれがつらくなったときに休憩しやすくなる工夫も取り入れてみました。新卒スタッフの彼女が正直に欠勤の理由を話してくれたおかげで、私や店長は女性の生理についてきちんと向き合うことができましたし、スタッフ全員が以前より快適に働けるようになったのではないかと感じています。
女性同士であっても生理の症状には個人差があることに加え、人によっては相談するときの恥ずかしさもあって、「生理がつらくて休む」と言い出しづらい女性もいると学びました。生理休暇を導入したからといって休みやすくなるとは限りませんし、私や店長など上の立場の人が積極的に生理休暇を使ったのは、いい取り組みだったと感じています。彼女のようになかなか生理のことを相談しづらい女性たちのために、生理痛がひどいときに安心して休める職場が増えてくれることを願います。
※本記事の内容は、必ずしもすべての状況にあてはまるとは限りません。必要に応じて医師や専門家に相談するなど、ご自身の責任と判断によって適切なご対応をお願いいたします。
著者/ゆうか
イラスト/おんたま
監修/助産師 松田玲子
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