30歳のパニ子は夫のヤスジ、2歳の娘・パニ美との3人暮らし。家を建てることを目標に、パートに家事にと忙しい日々を送っています。そんなとき、ヤスジの会社が不況の波を受けて倒産。なんとか雇ってもらえる会社を見つけるものの給料が少なく……。パニ子はヤスジにある事を相談しました。
家事と育児の分担を夫に相談
ヤスジの給料が下がり、ギリギリの生活を送る日々。パニ子は「パート先に社員として雇ってもらえるよう頼んでみようと思う。これからパニ美のお迎えと、帰宅後にパニ美のことを見ていてほしいんだけど……」とヤスジに相談します。
パニ美が生まれたばかりの頃は「自分の子はかわいい♪」と言っていましたが、子どものお世話に苦手意識があるようで、「無理だよそんなの!」と取り合ってくれません。パニ子が親友の結婚式に出席するため、パニ美のお世話を頼んだときも、帰ってきたらパニ美は号泣、ヤスジはソファで眠っていました。
パニ子は仕方なく、保育園で預かってもらう時間を増やして社員になりました。社員になったことで朝から18時までの勤務になり、忙しい毎日。ヤスジの方が早く帰宅していますが、洗濯物を取り入れることもなくゲームをし、パニ子が帰ってきたら「おかえり!腹減った!メシ!」と話しかけてきます。
家事を手伝ってほしいとお願いするも、「俺は家事が苦手なの。分かって結婚したんだから、やれよ!」と言うのです。さすがのパニ子もイラッとし、「ちょっとくらい手伝ってよ!フルタイムで働きながら育児も家事も全部やってるのよ!大変なの、見てて分からないわけ!?」と訴えました。怒ったパニ子は、ヤスジの夕食としてカップ麺を差し出します。
忙しい妻を想い、夫がある提案を…
翌朝、ヤスジは「俺なりにいろいろ考えたんだけど……、子育て大変だろ?温泉に行ってゆっくりしよう!パニ子がゆっくりできるように頑張ってお金も用意するから、これからもご飯を作ってくれ!」と両手を合わせて言ってきました。ヤスジなりの誠意なのかなと感じたパニ子は、今回は許すことに。パニ美を抱きながら、「うれしい!温泉、楽しみにしてるからね」と返しました。
旅行当日。旅館の最寄駅の改札を出た瞬間に見えたのは、遠方に住んでいる義両親と義叔父、義叔母、ヤスジの従兄でした。驚いたパニ子は、「なんでみんながここにいるの?」とヤスジに耳打ち。「母さんに上手いこと言って、今回の旅行の旅費を全額出してもらうことに成功したんだよ〜」と言うのです。
どうやら、自分がどれだけ日々頑張っているかを義母に話したところ、ご褒美として旅行の料金を出してくれることになったよう。義父は会うなり、「ヤスジは偉いなぁ!育児や家事を頑張っているんだろう?」と言うので、パニ子は「は…?」と思います。
旅館へ行く前にソフトクリーム屋さんに寄りましたが、パニ子はヤスジに荷物番を指名されます。ソフトクリームは買ってきてくれましたが、抱っこしていたパニ美が急に暴れだしたため、地面に落下。ヤスジは旅行でテンションが上がっているのか、「ドジだなパニ子は!ww」と笑っています。
旅館に着いてからも、ヤスジはひとりでさっさと温泉へ。パニ子はパニ美を見ながら動き回り、ゆっくり温泉に浸かることはできませんでした。夜もヤスジはみんなとバーでお酒を飲んだようで、酔っ払って部屋に戻ってきました。翌日もパニ子にたびたび荷物番を押し付けて育児を手伝うそぶりもなく、ひとりでかなり楽しそう……。
耐えられなくなったパニ子はヤスジと2人になったタイミングで、「ねぇ、これって私のことを労ってくれるための温泉旅行だよね?全然ゆっくりできてないんだけど!?」と話します。すると、「はぁ?なら帰れば?」という返事が。もう無理ーーー、いても疲れるだけ。ヤスジに何も言わず、荷物をまとめてパニ美と帰ることにしました。
義母に悩みを打ち明ける
旅館を出ようとしたとき、義母に「パニ子さん?」と声をかけられました。そのとき初めて、ヤスジが育児も家事も手伝ってくれないこと、ゆっくりしたらと計画してくれた旅行でも大変な思いをしていることを義母に打ち明けました。
事実を知った義母は激怒!「家事や育児でヘトヘトだと泣きついてきたから、旅費を出してあげたのに。大嘘つきじゃないの!私をだまして許せない…」とヒートアップしています。
その数時間後。ヤスジが部屋に入ってきて「パニ子、聞いてくれよ。みんなが急に怖い顔をしだして、部屋に戻れって言うんだよ。パニ子、お茶淹れて!熱すぎるのはダメだからな」と言うと、義母とパニ美を抱いた義父が登場。
義母が「おいこら!何甘えたことを言ってるんだ!自分で淹れな」と一喝。「パニ美ちゃんはヤスジに預けて、パニ子さんは楽しんでおいで。私がこいつを見張ってるから大丈夫だよ!」と話します。ヤスジは「何で俺が!?」と言いますが、「これはパニ子さんを労っての旅行でしょ。パニ子さんから全部聞いたよ!そしてみんなにもLINEで全部伝えました」と話し、義母はパニ子に微笑みかけました。
パニ子はゆっくり温泉に浸かったり、温泉街を散策してお土産を買ったり。夕方に旅館へ戻ると、パニ美の面倒をみて疲れ果てているヤスジの姿が。「普段怠けてるんだろ!今日くらい働け!」と義母はお怒りモードです。
旅行の最後に夫の本音がポロリ
翌日、旅館をチェックアウトしてお金を支払うときのこと。
義母はヤスジに、「自分とパニ子さん、パニ美ちゃんの分はあんたが払うんだよ!話が違うんだから」と話します。昨日はパニ美の面倒をみて頑張ったとヤスジは主張するも、たかだか1日で偉そうなことを言うなと一喝。
するとヤスジは突然、「俺、もともと子ども好きじゃないし。こんな感じだと、これからも子どもの面倒を見ろとか言われるんだろ?嫌なんだけど、そんなの」と話します。
パニ子は少し考え、「そうねぇ……離婚しましょう。考えてみたら、安月給で何もしないあなたと一緒にいる意味ないわ!離婚届は明日とってくるから!」と言いました。
意外にも義母はそれに賛同。「パニ子さんに養育費と慰謝料を払いなさいよ!あと、私の言うことが聞けないなら、実家に置いてやらないから」と乗っかってきます。そしてパニ子に、「これからヤスジを働かせるから安心してね。慰謝料と養育費は私が責任をもって払わせるから!」と約束してくれました。パニ子とパニ美が旅館を出ようとすると、後ろから「パニ子ー、待ってくれ。さっきは勢いで言っただけで……(涙)」と叫んでいますが、振り返らず旅館を後に。
後日、離婚が成立。ヤスジは養育費と慰謝料を払うことになりましたが、ひとり暮らしできるほどの稼ぎはなく……。会社をやめて実家に戻り、農家である義両親の畑仕事に加え、義母のツテ見つけた工場で働いているそうです。パニ子は勤務先の社宅に住めることになり、夫の世話がなくなった分、以前よりラクになった気が……。義母との関係は続いており、パニ美の成長を喜んでくれています。
パニ子がSOSを出しているのに、家事もしない、育児もしないでは、離婚されても仕方ないかもしれません。自分さえ良ければ……という考えだと、周りの人が大変な思いをしますよね。これまで大変な思いをしてきたパニ子には幸せになってほしいですね。