3人の息子たちに恵まれる
私の義母は、26歳のときに結婚し、28歳で第1子を出産後、2学年差で3人の息子に恵まれました。義父は、義祖父が亡くなったため実家の自営業を継ぐことになり、ほぼ年中無休、朝の6時から16時過ぎまで働いていたそうです。
仕事が終わったら毎日のように趣味であるパチンコ、ソフトボールと草野球の練習や試合に行く生活を送っていました。そして、家に帰ってくるのはだいたい19時過ぎで、家事育児にはほぼノータッチ。義母は、3人の息子を育てながら慌ただしくワンオペの毎日を送っていたそう。
そんな、育児よりも趣味を優先していた義父ですが、日曜日などの数少ない休みの日は日帰りで遠出したり、短時間でも近くの公園で遊んだりと、息子たちと遊ぶことは大好きだったようです。
ただ、育児に参加することはなく、義母の育児に口出しばかり。息子が蚊に刺されれば「なんで蚊に刺されるような格好にしてるんだ」と義母が怒られ、息子の服が少し汚れれば「服が汚れてる! みっともないからすぐに着替えさせろ」、息子が転んでけがをすれば「なんでちゃんと見てないんだ。転ばないように近くにいてあげんか」など、理不尽なことをたくさん言われたそうです。
義父の言葉に義母は怒り心頭
第3子が生後4カ月のころ、義母の祖母が亡くなりました。祖母の家は、当時義両親が住んでいたところから車で5時間弱かかるところでした。昔からおばあちゃんっ子だった義母は、その知らせにとてもショックを受けたそうです。
第3子が生後1カ月半ごろのお正月、祖母に電話で年始のあいさつをしたときに「〇〇ちゃんにも久しぶりに会いたいし、赤ちゃんの顔を見たいな」と言われたそう。義母は「まだ生後1カ月半で遠出はちょっと大変だし、おばあちゃんちは寒いからもう少し暖かくなったら連れて行くね!」と伝え、そのときは連れて行くことはやめたそうです。ですが、祖母が亡くなってしまい、第3子を見せてあげられなかったことをとても後悔した義母。
そして、祖母のお葬式に向かう車内で、悲しみでいっぱいな義母をよそに義父は「あー、今日はソフトボールの試合に間に合うかなー。無理かー。人足りるかなー」とデリカシーのない発言をしたのです。それも1度ではなく何度も。「え? この人は何を言ってるの?」とびっくりしつつ、その言葉にあきれた義母は聞こえないふりをしたそう。
結局、ソフトボールの試合には間に合いませんでしたが、大好きな祖母が亡くなって悲しみにくれている義母は、自分の趣味のことばかり考えている義父に腹が立ち、とてもがっかりしたそうです。
息子たちにはこんなふうになってほしくない
義父には子煩悩な面もありましたが、義母は、義父の趣味を優先し過ぎるところはもう諦めていたと言います。義父の趣味に口を出しても改善する見込みはないし、何かを依頼して文句を言われるよりは、自分で動いたほうが早かったのだとか。
ただ、子どもたちの行事には趣味を優先しないでしっかり参加してくれればいいと思っていたそうです。家事も義母任せなので、「自分の趣味ばっかり優先して、家事すらしない義父のような男になってほしくない」という思いで息子3人の育児を頑張った義母。義父は食事の配膳や片付けをしないのはもちろん、食事中に足りないものがあれば「〇〇がないよ。持ってきて」と一切自分で動くことはありませんでした。
義母は、家事は人にやってもらえて当たり前ではないということを理解してほしかったそうで、息子たちが小学生になると、なるべくお手伝いをさせるようにしました。食事の準備や片付けはみんなでする、洗濯物をたたむ、お風呂を洗ってお湯をためるなど簡単なお手伝いからやらせた義母。そして、「自分のことは自分でやる」ということを徹底させたそうです。
こうして義母が義父を反面教師にしながら育児をしてくれたことで、私の夫は家事育児に積極的です。義母の思いがしっかり息子たちに伝わっている証拠だと思います。
まとめ
2学年差の3人息子をひとりで見た義母はとても大変だったと思うし、育児に参加しないのに義父に口ばかり出されて本当に苦労しただろうと思います。義母は、「息子たちが小さいころは自分が毎日必死だったから記憶はあんまりないわ」と笑っていました。そんな義母が育てた夫は、家事も育児も積極的に参加してくれています。
私が夫のことを義母に話すと、「思いがちゃんと伝わっていてよかった」と言っていました。義母が義父を反面教師にしながら育児をしてくれたおかげです。義母の大変だった過去は、今の夫の様子を見る限り、報われたんじゃないかなと思っています。
※記事の内容は公開当時の情報であり、現在と異なる場合があります。記事の内容は個人の感想です。
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