こんにちは、助産院ばぶばぶ・院長のHISAKOです。授乳中にたけのこを食べると「赤ちゃんに湿疹ができる」「乳腺炎になる」という説があります。今日は、「たけのことおっぱい」についてお話しします。
授乳中にたけのこは食べてはダメ?
授乳中のママがたけのこを食べて、どのぐらいの確率で赤ちゃんに影響するのか? どのぐらいの割合で母乳に影響するのか? どんな症状が出るのか? という科学的データは見当たりません。
たけのこは、ヘルシーな低カロリー食品で食物繊維が豊富なので、ママの便秘予防にもなります。 また、カリウムが豊富に含まれているので、血圧を下げる効果もあります。 そしてビタミンB1,B2,Eなどにも富んでいて、ママの体にはいいことがいっぱいです!
食べすぎはどんな食材もよくない
授乳中に食べたらダメという食材は、基本的にはほとんどありません。どんなことも行き過ぎがダメなのであって、バランスさえ考慮すれば健康につながるはずです。
「たけのこを食べると乳腺炎になる」のではなくて、どんな食べ物であっても 「食べ過ぎるとおっぱいトラブルになりやすい」が、正解なのかなと思います。
いろいろな食材を適度に楽しもう
赤ちゃんの湿疹も、乳腺炎も、たけのこはアクが強い、というところから来ているのだと思われますが、体は過剰にアクが入ってくると、それを毛穴から体外に排出しようとします。 この反応によって、たけのこを食べ過ぎると、ママに吹き出ものができたり、肌荒れが起きやすくなることはあるようです。
でも、ママに肌荒れが起きたとしても、たけのこの栄養素やアクは、そのまま母乳になるわけではありません。ママの食べたものは、まず血液になって、そこから赤ちゃんに適切な母乳成分へと変化してから分泌されます。母乳にアクがそのまま移行するのなら赤ちゃんに湿疹ができるのも納得ですが、母乳の成分はママが何を食べても、ほぼ一定であるという事実から、ママがたけのこを食べると「赤ちゃんに湿疹が出る」「乳腺炎になる」は、どう考えても無理がありますよね。
よって、たけのこは授乳中のママが避けるべき食材だとは思いません。適度に楽しみましょう!
総合病院小児科・産婦人科・NICU病棟勤務を経て、地域での助産師活動・出張専門助産院を開業。2006年には来院ケアも可能な「助産院ばぶばぶ」をオープン。2016年に11人目を出産し、ママたちに元気と勇気をおすそ分けすべく母乳育児支援や講演活動、書籍出版など多岐にわたって活動中。