兄と2人きょうだいの私。兄は奥さんと、母との3人で同居生活を送っています。そして、実家を出て暮らしていた私も結婚することになりましたが――?
欠席のはずの兄夫婦が…
「なんで俺たちの席だけないんだよ!」
「お前はせっかく祝いに来た兄夫婦になんて失礼な態度をとるんだ!」
「え、欠席って聞いたけど…」
「は?」
結婚式の直前、兄から来た連絡に私はびっくりしました。詳しく事情を聞くと、「招待状をもらっていない」「親戚のおばさんから偶然今日の結婚式のことを聞いた」とのこと。
しかし、私は実家に帰った際に、確かに兄夫婦への招待状を母に渡していたのです。そして、母から「兄は結婚式の日は出張が入っている」「兄嫁は妊活がうまくいかず病んでおり、結婚式に参加できる状態じゃない」と欠席の連絡をもらっていました。
行き違いを知り、おそらく原因は母にあるとにらむ兄。兄から謝罪を受け、私は急いで兄夫婦の席を用意しました。
黒幕はやはり…
結婚式終了後――。
私は、勝手に兄夫婦の欠席を決めた母を問い詰めました。しかし、母はあくまでも気遣いだと一点張り。
結婚後、不妊治療が必要なことが判明した兄と兄嫁。結婚式を諦め、結婚式用の貯金を治療に充てていました。母は兄より先に、私が結婚式を挙げることに納得がいかず、独断で兄夫婦の欠席を伝えてきたのでした。
昔から兄ばかりを溺愛していた母。兄の誕生日には特注のホールケーキを注文するのに、私の誕生日にはコンビニのケーキが1つだけ。きょうだいの扱いの差に耐え忍んできた私も、「わがまま自己中娘」「娘にお金をかけるなんて無駄」と言われ、さすがにカチンときてしまいました。
きょうだい差別をした母の末路
私もついに堪忍袋の緒が切れ、母に絶縁を突き付けました。しかし、母は「息子夫妻さえいればいいの」「邪魔な娘と絶縁できて、私もすごくうれしいわ」と意に介さない様子。ただ、母が余裕でいられるのもこのときまででした。
その会話に「悪いけど俺たちも絶縁するよ」「母さんとはもう暮らせないや」と割って入った兄。兄は「俺も嫁も、妹夫婦の結婚式に出席して、ちゃんとお祝いしたかった」「招待状が届かなかったのも、結婚式に俺たちの席だけないのも悲しくて悔しかった」と吐露するのでした。
さらに、母の身勝手な気遣いは、兄嫁にも及んでいた模様。早く孫を見せてくれと、いろんな神社のお守りや変なサプリを押し付け、ご近所中に兄嫁の不妊治療を言いふらす始末。見知らぬ土地での同居によるストレスにくわえ、自分の不妊治療の状況が近所に筒抜けになっていた兄嫁は、ひどく傷ついていたのです。
私の結婚式に勝手に欠席の連絡をしたことで、母を見限った兄は、同居解消を決断したのでした。
1カ月後――。
どこからか私の妊娠を知った母は、絶縁宣言もすっかり忘れ、「同居を許してあげるからうちで赤ちゃんを産んで、私に孫の世話をさせなさい」と言い出します。お気に入りの兄がいなくなったからといって、自分にすり寄ってきた母に嫌悪感すら覚え、再度絶縁することを告げました。
その後――。
母からの連絡を完全にブロックした私と兄。母は近所の人たちからも「もう子どもたちとの溝は埋まらないから諦めろ」と説得されているようですが、「なんとかしてよ!」と逆ギレし、どんどん孤立していました。
一方、姑のプレッシャーから解放された兄嫁はその後、妊娠。私と兄嫁は仲良く妊婦検診に出かけています。
今は母と絶縁してスッキリしましたが、正直言うと、産まれた順番や性別にかかわらず、親からの愛情は等しく注いでもらいたかったなと思います。私も兄嫁も無事に出産しました。今後は家族で幸せに暮らしていきます。