突然生理がきた!
当時ひとり暮らしをしていた私は、たまたま休みを利用して実家に帰省をしていました。生理は予定日通りくるタイプだったのですが、帰省と生理期間が被っていなかったため、ナプキンは用意していませんでした。ところが予想に反して突然生理がきてしまったのです。
実家はナプキンを買いに行きたくても車がないとコンビニに行くのでさえ、ひと苦労の場所。家族はみんな仕事で外出していて、誰かに頼むこともできませんでした。
頼んでいいかな?
生理痛があったため、横になって休んでいると、「今から家に帰るけど、何か買ってきてほしい物ある?」と弟から連絡がきました。ナプキンを買ってきてほしいと思ったものの、ナプキンを買うことに抵抗のある男性もいると聞いたことがあった私はとても迷いました。けれど「家族だし、頼んでみよう!」 とダメもとでお願いしてみることに。
すると弟は、「いいよ。どれを買えばいいの?」と快くお願いを聞いてくれたのです。普段はそっけない弟からのやさしい返事に、生理で気持ちが弱っていた私はホロッと涙が出そうでした。
抵抗がない理由は…
無事にいつも使っているナプキンを購入してもらい、生理への理解がある弟を頼もしく感じると同時に、なぜ弟は抵抗なくナプキンが買えたのか気になりました。それについて母と話してみて、あることに気がついたのです。
わが家では昔、メスの大型犬を飼っていました。犬にも生理があるのですが、大型犬の生理グッズはあまり種類がなく、わが家では母お手製のおむつに人間用のナプキンをつけて使っていたのです。
弟も犬のお世話をする流れで子どものころからナプキンを目にする機会があったため、生理への理解が備わったのかなと思いました。
実際に弟へ聞いていないのですが、弟にとっては愛犬のお世話が生理を理解するきっかけになっていたのかもしれません。このようなケースはなかなかないと思いますが、「なるべくナプキンは男性の目に触れないように……」と気をつかいすぎるのではなく、ほかの日用品と同じように目にすることが、男性が自然と生理への理解をする上で大切なのかもしれないな、と感じた出来事です。
著者/藤澤サキ
監修/助産師 松田玲子
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