夫は儲け話に引っかかってお金をだまし取られたり、仮想通貨の運用で失敗したりと、貯金が趣味の私からすると、お金に関してルーズなところがあります。金額の大きな買い物も勢いでするので、このままだと破産してしまいそうです……。
ハァ…夫がまた無駄遣い
ある日、クローゼットに見慣れないゴルフバッグを見つけた私。夫に聞いてみると、上司から誘われたので買ってみたという返事が返ってきました。結局1回しか使っておらず……。揃えるのにかかった金額は約8万円。決して安くはありません。
夫は知人の儲け話にのってみたり、仮想通貨の運用に失敗したりという経験があるため、万単位の買い物をするときは事前に相談してほしいと言っていたはずなのですが……。こんな状態が続くなら、お小遣いなどを管理しなくてはいけないと伝えると、さすがに反省したようで、もうしないと約束してくれました。
今はまだ私がそこそこ稼いでいるのでなんとかなっていますが、実はここ最近、体調の悪い日が続いており……。もし働けなくなったら、破産しそうです。夫も顔色が悪いことを心配しており、仕事を調整して病院へ行くことにしました。
なんだか上機嫌な夫
ゴルフバッグの件から2週間ーー。
珍しく夫が晩ごはんを作ると言ってくれました。いつもは皿洗いすらしないのに、一体どういう風の吹き回しなのか……?最近はなんだか上機嫌なことが多く、理由は分かりませんが、いい嫁をもらって幸せだとか、仕事も家事もできるとか、私にかけてくれる言葉も以前と違うような……?
夫の場合、こういうときはたいてい何かやらかしているので、もしかして何かまた買ってしまったのかと聞いてみても、なにも買ってないという返事。まぁ、この前の件で心を入れ替えてくれたのなら、それは素直に喜ぶべきことなのですが……。
大きすぎる勘違いの代償
半年後ーー。
夫は最近、なんだか怪訝そうに私を見てくるようになりました。何か言いたいことがあるならハッキリ言ってほしいというと、「なんでお前まだ生きてるの……?」と一言。その言葉の意味が分からず、私は思わず聞き返してしまいました。
どうやら夫は余命の話をしているようで、余命半年だと宣告されたのに、なぜ生きているのかと私に聞いてきます。電話で話しているのを聞いて、そのつもりで動いていたと……。一体何をやらかしたのかと正直に話すよう促すと、夫の口からは衝撃の一言が。
「お前の余命が半年っていうから貯金使った……」
なんと、貯金をほぼ使い込んでしまったとのこと。そこで、夫が聞いていたという電話の内容について、伝えました。
「余命半年は私じゃなくてお義母さん」
「え…?」
そう。余命半年と宣告されたのは、私ではなくお義母さんなのです。自分が余命わずかだと知れば、浪費癖のある息子に資産を盗まれそうと考えたお義母さんは、私にだけ事実を打ち明けてくれたのでした。それを聞いてショックを受ける夫でしたが、私は構わず1000万近くあった貯金を何に使ったのか聞いてみました。
すると、キャバクラや旅行と白状。それを聞いて私は離婚を決意。夫は離婚したくないと言い、何度も謝罪をしてきましたが、受け入れられるわけもなく……。結局、夫が使い込んだ貯金は、お義母さんが貯蓄を差し出してくれることになりました。
それから間もなく、お義母さんは息を引き取りました。お義母さんは、家族に手紙を残していて、私への手紙には感謝と謝罪の言葉が並んでいました。その反面、夫の手紙には、もう人に迷惑をかけるなという内容が書かれていたようです。手紙を読みながら夫は号泣し、何度も謝っていましたが、もう義母はそこにいません。夫はこれから、後悔をしながら生きていくことになりそうです。
◇ ◇ ◇
実母からも浪費癖を心配される夫。お金に心を支配されているのかもしれません。母の死をきっかけに心を入れ替え、これまでの行動を改められるといいですね。