高校卒業と同時に付き合い始めた彼氏は、大学時代にできた親友に奪われました。結局、彼氏も親友を選び、私は捨てられてしまったのです。そして3年後、元親友から私に突然連絡が来たのですがそれは信じがたい内容でした。
結婚式の招待状
元親友が私に連絡してきた理由、それは私から奪った彼氏との結婚報告のためでした。「プロポーズの言葉とか、どこのブランドの結婚指輪とか気になるでしょ?」と言われましたが、捨てられた私は一切興味を持てません。
元親友はどうやら私にマウントをとりたい様子。「結婚式の準備で忙しい」「寿退社しちゃった」などの自慢を聞き流しつつ、私はいつ電話を切ろうかと考えていました。
自慢話が一段落したところで、「おめでとう、さようなら」と告げてやり取りを終えようとすると、「ちょっと待ちなさいよ!」と止められてしまいます。「結婚式の招待状を出したいから住所を教えなさい」と、いつまでも上から目線の元親友。
「私の夫に未練がないなら出席できるわよね?」と煽られ、さすがの私もカチンと来てしまい、売り言葉に買い言葉で出席することに。
「大学卒業して普通のOLして、良いものだって食べられてないんでしょ?」「高砂の一番近くで、私たちの幸せな姿を堪能させてあげるわ!」と恩着せがましく言ってくる元親友。大学時代から変わらないなぁ、と私はため息をつくのでした。
特等席はパイプ椅子
4カ月後――。
大学時代のサークル仲間と共に、披露宴会場へ入った私。私には高砂から一番近い――パイプ椅子の席が用意されていました。あまりの扱いのひどさに、私と友人たちが言葉を失っていると、元親友からメッセージが。
「彼に捨てられたのに式に本当に来るとかウケるw」
「負け犬にはパイプ椅子の特等席がお似合いだわ~w」
「新郎からの招待だけど?」
「え?」
実は、元親友から連絡が来た翌週、私は新郎側から夫婦で招待されていたのです。「夫と同じ席に着席したいから、パイプ椅子席もう1つ用意してくれる?」と言うと、元親友は「え、結婚してんの……?」と慌て出しました。
今年の年明け、私は夫と入籍したばかり。新婚ほやほやですが、お互いに忙しく、結婚式は夏に延期していました。ハワイで身内だけの挙式を挙げるつもりだと伝えると、元親友は「あんたがハワイで挙式なんて背伸びしすぎw」と元親友はなおも私を嘲ってきます。
どこまでも私を見下す元親友。哀れになった私は、「何も知らないのね……。自分の夫の会社の次期社長のことくらい把握しないと」と、私の夫の正体を明かしました。私の夫は、新郎の上司。新郎を評価して会社で地位を与えていたのが私の夫でした。
大学在学中、元親友に彼氏を奪われて自暴自棄になった私は、そのまま起業。事業拡大のために参加した異業種交流会で、今の夫と出会い、そのままゴールインしたのです。
席次表には、新郎側の招待客として私と夫の名前が連ねてありました。かたや新婦側の招待客として用意された席の私の名前は、旧姓のまま。おそらく、元親友は新郎側の招待客リストのチェックを怠っていたのでしょう。
余興だと嘘をついて、人目を盗んでまでパイプ椅子席を用意したらしい元親友。「あんたに恥をかかせて、その様子を見たかったの!」「私が彼氏を奪ったときも妙に冷静で、泣き叫ばなかったじゃない!あんたが悔しがるのを見たかったのに!」と激昂していますが、私にはもう関係ありません。
私は夫と、サークル仲間とともに、披露宴会場を後にしました。
略奪女の末路
30分後――。
夫やサークル仲間と飲んでいると、元親友から泣きの連絡が入りました。パイプ椅子席のことを知った招待客が次々と帰り、新郎には挙式でサインしたばかりの婚姻届を破られたそう。
私の夫のスマホにも、新郎からひっきりなしに着信が。会社関係の人たちも一部始終を見ていたため、きっと新郎もこれから会社で肩身の狭い思いをすることになるでしょう。
「結婚式費用も私が払えって言われてる!助けてよ!あんたも社長で、夫も次期社長ならお金あるでしょ!」と、今度はお金をたかってきた元親友。しかし、これは元親友が自ら招いた結果。丁重にお断りして、私は元親友の連絡先をブロックしました。
気に入らないからといって、大勢の人の前で恥をかかせようなんて、浅ましい行為です。人の尊厳を踏みにじるような行為を二度とすることがないよう、元親友には心を入れ替えてほしいものです。