「もう二度とキャバクラには行かない」と約束した夫は、サイン済みの離婚届を差しだして、信頼を取り戻すためなら何でもすると言ってくれました。そこまで本気なら……と、私も納得し、無事に仲直り。翌週、予定どおり新婚旅行先のハワイへ向かいました。
無事新婚旅行に出かけたものの…
飛行機に乗り込んだ私たちでしたが、どうやら夫はおなかの調子が悪い様子。「ちょっとトイレに行ったら治ると思うよ!」そう言って、夫はトイレにこもってしまい、戻ってきたのは2本目の映画が終わるころ。なんとか回復したようで、空港からそのままホテルへと向かいました。
今回の旅行は、手配も予約もすべて夫にお任せ! 到着したホテルは景色もバッチリで本当に素敵な部屋でした。
「長時間のフライトで疲れてるだろうから、今日はルームサービスを手配してあるよ」と、夫。私たちは部屋で夜景を眺めながら夕食を楽しみました。夫に勧められるがままシャンパンを飲み過ぎてしまった私は、いつの間にか眠っていたのです。
隣の部屋から耳慣れた声が聞こえて…
ふと目を覚ますと、部屋に夫の姿がありません。気分転換にベランダに出ると、隣の部屋から夫の声が聞こえてきたのです。
「ねえ、奥さん大丈夫なの?」
「大丈夫、大丈夫w」
仕切りを超えて隣の部屋に目をやると、そこにいたのはベッドでくつろぐ夫と見知らぬ若い女性。私は耳をすませました。
「それにしても、飛行機の中でも楽しかったよな~。まさか俺が後ろで他の女といちゃついているなんて、思いもしなかっただろうなw」
「ホテルの部屋も隣同士で取るなんて、ひどい男ね!」
夫は新婚旅行にキャバ嬢を同伴させていたよう。真実を知ってしまった以上、もう夫と一緒に過ごす気持ちはありません。荷物をスーツケースに詰め込んで、私はそのまま空港へ向かいました。
夫の凱旋帰国
運良くすぐに日本行きの飛行機に搭乗できたので、私は一足お先に帰国。そのときに気づいてしまったのです。ついうっかり、彼のパスポートも一緒に持ってきたしまったことを……。
飛行機から降りると、案の定夫からたくさんの着信が入っています。先に帰国したことを告げると、勝手なことをするなと怒っていましたが、せっかくの新婚旅行を台無しにされて、怒りたいのはこっちです。すべて知っていると伝えると、あとで話し合おうと言われて電話を切られてしまいました。
その後、パスポートが再発行できた夫が無事に帰国。なんと、例のキャバ嬢と手を繋いで登場したのでした。
復讐の準備は万端
証拠を見せて慰謝料の請求を告げた私。帰国を待つ間に、離婚の準備はバッチリです。夫はもちろん、キャバ嬢にもキッチリ請求しました。夫の「妻にはバレていない」という言葉を信じていたキャバ嬢は焦り出し「こんなの聞いていない」と喧嘩が勃発! 空港が騒然としたのは言うまでもありません。
キャバ嬢に捨てられた夫は復縁を迫りますが、新婚旅行にキャバ嬢を連れていくような男性とはこの先うまくやれるわけがありません。隣の部屋や同じ飛行機を予約してもバレないと思うなんて、どこまでお気楽な男なのでしょう……。
自分の見る目のなさにがっかりしますが、最低限の期間でこの結婚生活に終止符を打てたことだけが救いです。