母子家庭で育った私に当たりの強い義母。どうやら私と彼氏の破局を目論んでいるようで――?
結婚を中止させたい義母
義母の反対を押し切り、なんとか結婚式の予定を立てるところまでこぎつけた私たち。しかし、義母は私が母子家庭で育ったことを理由に、見下してきます。
結婚式に関しても、招待状や式場の規模など、何から何までダメ出し。いつも最後は「母子家庭の女なんかと結婚するから」「まともな両親のいる娘に今から乗り換えてくれないかしら」と言ってくるのです。
さらには、「貧乏母子家庭の娘はやっぱり教育もしつけもなっていないのね」「家計も子どもへの愛情も中途半端だったのね」と私の母のことまで侮辱する始末。いくら言い返しても、義母は悪びれる様子もありません。
私はただ唇を噛み締めるしかありませんでした。
義母の誤爆
10分後――。
私のスマホに、また義母からメッセージが届きました。「今度、ママと外食なんてどうかしら?」と、どうやら息子に送っているつもりらしい義母。
私が戸惑っていると、「お食事は来月初めの日曜日でいいかしら?」「ちょっとあなたに会ってもらいたい女性もいるのよね」と連投が。
来月初めの日曜日は私たちの結婚式。私は彼氏のフリをして「その日は俺たちの結婚式じゃないか」と返しますが、義母は「結婚式なんて当日ドタキャンで大丈夫よ!」などと言い始めました。
「結婚式が1カ月後に迫っているのに、なんてことを言い出すんだよ……」と思ったことをそのまま伝えると、義母は「ご紹介するご令嬢は母子家庭女の数百倍もいい女♡」「そんな子に会っても、母子家庭女が良いって言うなら真実の愛ね。もうママはあなたたちの結婚について何も言わないし、結婚式の延期費用も全部ママが払うわ」と返してきました。
彼氏のフリを続けながら、そのご令嬢とやらと一度会うことを了承した私。うれしそうな義母は「早速先方に連絡を入れておくわ!」とやり取りを切り上げたのでした。
本当に幸せな家族とは
結婚式当日――。
結婚式場に来ていない義母から、私宛にメッセージが来ました。
「今日の結婚式になんて絶対行ってあげないんだからw」
「主役の息子も行かないわw」
「母さんは呼んでないぞ?」
「え?」
私に代わって、義母に返したのは新郎となる彼。義母からの誤爆があった直後、私は彼にすべてを話し、協力を仰いだのです。
彼も「母さんがいない方が、俺も安心して結婚式ができるよ」と言ってくれたので、2人で義母を結婚式場から遠ざける計画を立てました。お見合い予定だったご令嬢の方にも、彼から事情を話し、丁重にお断りしたそうです。
「私はあなたの幸せを思って……」と言う義母に、「吐き気しかしない」と言い切った彼。「母子家庭だから両親の愛も知らないし、しつけだってなっていない!」「そんな女との結婚なんて反対するしかないのよ!」と怒る義母。しかし、彼は「母子家庭は関係ないだろ!」「俺の方こそ両親からの愛なんて知らないぞ?」と淡々と返したのでした。
実は、義母は幼い彼をシッターに丸投げし、遊びまわっていたそうです。彼が小学校に入り、手がかからなくなってきたあたりから、急に母親面をし出したそう。彼は、小さい頃に味わった寂しさをずっと抱えて生きてきたのです。
「両親からの愛情を知らない俺と結婚してくれるんだ!口出しするな!」「孫が生まれても、介護が必要になっても、二度と会わないからな!」と、彼は義母に絶縁宣言。そして、義母のいないまま、私たちは結婚式を挙げたのでした。
翌日――。
事前にすべてを話していた義父から、離婚を切り出されたらしい義母。「家に入れてもらえない」と言って、なぜか私に泣きついてきました。
「家族は支え合うべきよね!?」と言う義母に、「そうですね」と返した私。「だからこそ、支えたくないと思われたらもう終わりです」「自分だけ都合よく支えてもらおうなんて……そんな甘ったれた人は家族じゃありません」と続けると、姑は返す言葉を失ったよう。それから、姑から私への連絡が来ることはありませんでした。
私たち夫婦はあらためて、家族として支え合っていこうと誓うのでした。