私たちは結婚して以来、お盆は毎年義実家に帰省するのが定番になっていました。義両親はとてもいい人で、久しぶりに会えるのを楽しみにしていました。
悲しそうな姪の顔
義実家に帰ると、義父母があたたかく出迎えてくれました。そしてリビングに行くと、5歳の姪が「ずぅっと待ってたんだよぉー!」と抱きついてきてくれたのです。
そして部屋の奥から姪の母である義妹が、スマホ片手に会釈をしてきました。義妹は元々明るくて人懐っこい可愛い人だったのに、去年離婚してから変わってしまったのです。
親戚の集まりに行くと、いつも姪の世話は私ばかり。姪もママに構ってもらえず、どことなく寂しそうです。
姪のお弁当を私が毎日届ける!?
夫に相談してみたものの、「あいつはシングルマザーなんだし、帰省中ぐらい自由にさせてやれよ」と義妹の肩ばかり持ちます。
それから1カ月後、夫が急に「今度ウチから30分の所に妹たちが引っ越してくることになったんだよ」と言い出しました。私が「義実家とも近くなるし良かった」と思っていたところ、「そういうことでお前が、姪のために毎日弁当を作って届けろよな!」と命令してきたのです。
仕事をしている私は、毎日自分たちのお弁当を作るので精一杯。姪の分も作って往復1時間の家に届けてから仕事に行くなんて無茶すぎます。
離婚を盾にする夫に幻滅して
私が「無理だよ。断って」と言うと、「じゃあ離婚だな。俺は家族想いの人が理想なんだ。義妹と姪のために、弁当一つも作れないような女とはやっていけないな」とニヤニヤしながら言ってきたのです。離婚を盾にすれば私が折れると思っているのが見え見えで、私は我慢の限界に……!
今すぐ離婚したかったけれど、義妹の態度と姪の寂しそうな表情を見ていた私は放っておけません。とりあえず義妹と話をするために、1日だけお弁当作りを引き受けました。
義妹の本心を知って
そしてお弁当を届けたついでに、義妹と久しぶりにじっくりと話すことができました。すると、泣きながら謝罪してきたのです。
話を聞けば、夫が「お前はシングルマザーで可哀想なんだから、不安定な母親がいるより、落ち着いている俺の妻に任せといた方が良い。今は娘から離れろ」と会うたびに言っていたそう。
娘が生きがいだった義妹はどんどん自己肯定感が下がり、自分の育児に自信がなくなっていたのだそうです。つまり、夫は助言だと言いながら、無意識のうちに義妹を追い詰めていたのでした。
プライドの高い夫を制裁
私は仕事から帰ってきた夫にすべてを打ち明け、「子育てどころか自分の世話もできない中年が、何を偉そうに助言するって言うのよ! あんたはね、ただ妹を上から見下ろしてただけ! それで優越感に浸っていただけなのよ!」と言い、離婚届を突き付けました。
相手を否定し、優越感に浸る人とは距離を置くべきです。その後、私は夫と別れて、ストレスのない生活を過ごしています。ちなみに義妹と姪は義実家に戻り、義父母と仲良く暮らしているそうです。これからは自分の気持ちを大切に、生きていこうと思っています。