無事に離婚できた翌日、夫の浮気相手と名乗る女性から「ありがとうございました!」という連絡が突然私のもとへきました。
「私たち、今日の午前中に婚姻届を出してきたんです」「離婚してくれてありがとうございましたw」という浮気相手からのメッセージに、私は目を疑いました。
夫の浮気相手からのメッセージ
「ただご挨拶と謝罪がしたくて連絡したんです」「これでやっと彼と幸せな結婚生活を送れますw」と、どうやら浮気相手は私にマウントを取りたくて連絡してきた模様。
「私にはあなたに慰謝料を請求する権利があるんですよ?」と言うと、「離婚の時に慰謝料請求はしないって取り決めをしたって彼から聞いてますけど?」と返されてしまいました。
なおも「私と彼の間に秘密なんかありませんから!」と、私より上に立ちたい様子の浮気相手。「彼のことはすべてご存知の上で一緒になるって言うんですね?」と確認すると、「もちろん!彼のすべてを受け入れて結婚したんです」と鼻高々。
「あなたの分まで幸せになりますね!」と言い残して、やり取りは一方的に打ち切られてしまいました。
私は強がってるのではなく…
2週間後――。
またもや浮気相手からの連絡が来ました。「幸せのおすそ分けしてあげようと思って連絡しましたw」「結婚した翌日はバラの花束をくれたんですよ」「それからも毎日プレゼント買ってきてくれるんです」と、いかに自分が愛されているかを私に自慢したい様子。
たしかに、元夫は私にプレゼントのひとつもよこしませんでした。ただ、私は離婚できてさっぱりしていますし、自分のことを不幸だとも思っていません。そのことを正直に伝えると、浮気相手は「またまたw強がっちゃってw」と一笑。
さらに自慢話が続きます。「毎日そんなにプレゼントを買ってたら、お金もなくなるでしょうに」という私の言葉は、油を注いでしまったようです。「いくら年収が2000万あるって言ってもねぇ?w」「だから代わりに、海外での結婚式と新婚旅行のプランを立てることにしたんですよw」とますます興奮気味にまくしたてる浮気相手。
「彼と離婚してくれたから私めっちゃ幸せですw」
「私のためにありがとうございまーすw」
「離婚理由聞いてないんですか?」
「え?」
浮気相手は「自分と結婚するために離婚した」と思い込んでいるようですが、実際は違います。自慢話に飽き飽きしていた私は、本当の離婚理由を明かすことにしました。
「彼には2000万円の借金があるんです、それが離婚の大きな理由のひとつです」「それから、今の彼に年収なんかありませんよ、無職ですし」
私と元夫は職場結婚。結婚後、元夫は独立するために会社を辞めましたが、資金繰りがうまくいかず、計画は頓挫してしまいました。再就職しようと面接に行っても落とされ、いつの間にか元夫はただのニートに。そんな元夫が暮らしていけたのは、私の収入があったからなのです。
しかし、私に黙って借金を繰り返していた元夫。首が回らなくなる直前に、私にお金を借りようと借金のことをカミングアウトしてきました。私はすぐに離婚を申し出たのですが、彼は年収2000万円の妻を失いたくなかったのでしょう、どうしても離婚したくないと駄々をこねて離婚調停が始まったのです。
私に嫉妬させて離婚を取り下げさせようとしたのか、離婚調停の途中で浮気相手の存在をにおわせてきた元夫。私は離婚の決意を固めていましたから、そんなことには動揺しませんでした。引くに引けなくなった元夫は「慰謝料請求しなければ離婚に応じてやる!」と言い出し、とにかく早く離婚したかった私はその条件をのんだのです。
事の顛末を聞き、すっかり勢いをそがれた浮気相手は、「そ、それじゃあ、今毎朝出かけてるのは……?仕事に行くって言ってるわよ……?」と尋ねてきました。「パチンコじゃないですか?パチンコのことを仕事って言ってましたよ、彼」と返すと、「ただ遊んでるだけじゃない!」と悲鳴のようなメッセージが。
「すごいですよね、彼のすべてを受け入れて結婚されたんだから!」と言うと、浮気相手は言葉を失ってしまったよう。しばらく浮気相手からメッセージが来ることはありませんでした。
熨斗をつけて返す
さらに2週間後――。
すっかり大人しくなっていた浮気相手から「助けてください」とのヘルプメッセージが。助けてあげる義理はありませんが、とりあえず話だけは聞いてあげることに。
どうやら元夫は、浮気相手の口座から勝手に貯金を引き出し、借金の返済に充てていたそう。貯金がすっからかんになっていたことに気付き、私に助けを求めてきたようです。
「こんな疫病神いらない!」「もうあなたに返します!」と言い出した浮気相手。「お断りします、彼を引き取るともれなくアレがついてくるんで……」と返すと、「アレ?借金じゃなくて?」と浮気相手はきょとん。
どうやら浮気相手は一番厄介なものにまだ気付いていないようでした。それこそが、私が離婚を即決した理由でもあるのに。
「彼のご両親ですよ」「『同居しないなら代わりに毎月30万円送れ』って言われてたんです」「彼に言っても無駄ですよ。いまだに『パパ』『ママ』と呼んで甘えてますからね」と言うと、「嘘でしょ……?借金持ちな上に地雷のような義両親までついてくるなんて……」と絶望してしまった浮気相手。
「お願いです!私を地獄から助けて!」と縋りつかれましたが、私だってもう関わりたくありません。「元夫の浮気相手を助けてあげられるほど、私の器は大きくないので……」「ご自分でなんとかしてくださいね」と私はやり取りを切り上げました。
結局、浮気相手は離婚できず、元夫と義両親に寄生されているそう。私は老後のためにマンションを購入。悠々自適な生活を送っています。