その内容は、「お約束の養育費の支払いが滞っています。返答がない場合、給料を差し止めて支払ってもらいます」と養育費請求の連絡が。
私は子どもを産んでいません。これは明らかな誤解か、何かの間違いでしょう……!
子どもを産んでいないのに、養育費の請求が!?
何のことか分からず困惑した私は、すぐ元夫に電話。すると、元夫のもとには赤ちゃんがいるようで「産後の体調が思わしくないから預かってほしいって、自分の母さんにお願いして、赤ちゃんを俺に託しただろう!?」と言うではないですか。
どうやら元夫は、離婚後に私が元夫の子を出産し、母親を通じて託されたと思い込んでいる様子。
しかし、私は実家とは長年疎遠の状態。両親は2歳年下の妹ばかりかわいがり、何度も嫌な思いをしてきました。その上お金にもだらしなく、実家とは関わらないようにしていきたのに……これは何だかややこしいことになりそうです。
疎遠になっていた母を呼び出して
そこで私は元夫と赤ちゃん、そして赤ちゃんを一緒に育ててくれている元義母と喫茶店で会うことにしました。
元義母は「いきなり子どもを預けて音沙汰なしなんて、非常識じゃないの!」と怒っています。元夫と元義母に、私は出産をしていないこと、そして実家とも疎遠にしていて長年連絡を取っていないことを伝えました。混乱した様子の元夫と元義母。
するとそこへ、数年ぶりに連絡した母が喫茶店に現れました。もちろん母には、元夫と元義母や赤ちゃんがいることは伝えていませんでした。
「一体どういうことなの?」と皆に責められた母は、「そうよ、赤ちゃんはこの子の子じゃないわよ」とあっさり白状。そして、驚きの真実を口にしたのです。
実は、元夫と妹が……
元夫と義母に「あなたたちに預かってもらうために、嘘をついたの」と言う母。元義母は「初孫だと思って大切に育てていたのに! 騙された!」とショックを受けています。元夫もショックを受けていると思いきや、なぜか黙って青ざめています。
そして母は重い口を開き、「この子は、うちの次女とあなたの息子の間にできた子だから、初孫ですよ」と静かに明かしました。
私と結婚している間に、元夫は私の妹と不倫し、2人の間にできた子を母が元夫に託したのでした。
裏切り者の末路
衝撃の事実を知った私は、2人に慰謝料を請求することにしました。息子の愚行を知り怒りがおさまらない義母は、「私がこの子を立派に育てて見せるわ! その代わり、この子の前にも私の前にも2度と顔を出すんじゃないよ!」と元夫と縁を切ることに。妹は慰謝料支払いのため、働きにでたと母から聞きました。
それからというもの、私と元義母は連絡を取り合うようになってすっかり仲良くなり、ときどき赤ちゃんに会いに遊びに行っています。子どもに罪はありません。元夫と妹の不貞の子とはいえ、かわいい甥っ子です。今はこの子の成長が何よりも楽しみです。
元夫が妹と不倫をしていたことはショックでしたが、同時に離婚という決断が正しかったことを確信させてくれました。この経験を通じて、家族を裏切る人との距離を保つことの大切さを学びました。