「立ち会い出産で、夫は無力」という話をよく聞くことがあります。私もそう思っていた1人。ところが、私が体験した出産では違ったんです。今回は、無力どころか、やることがいっぱいで大忙しだった夫の様子をお伝えします。
立ち会い出産前の様子は?
私が出産した総合病院では、立ち会い出産を希望する夫婦は必ず講習を受ける決まりになっていました。どうしても立ち会い出産がしたいという夫は、休みにくい仕事をどうにか都合をつけて休み、講習に参加していました。
講習内容は、妊婦体験をしたり、出産時の呼吸法を練習したりなどさまざま。2時間程度の講習を真剣に取り組むとかなり疲れを感じますが、おかげでいろいろなことを学ぶことができました。
立ち会い出産当日の様子は?
陣痛が来たのは、ちょうど夫が休日で家にいる午前中でした。病院に連絡したあと、車で病院に向かいました。車の運転はもちろん夫です。入院後の夫は、荷物を整理して、足りないものや飲み物などの買い出しへ。
病院に戻ってきた夫は、陣痛がつらくなって騒ぎ出す私をなだめながら腰やおしりをマッサージしてアシスト。途中で飲み物を口に運び、またマッサージ……と、自分の食事やトイレの時間がないほど、ずっと付き添ってくれていました。
出産後の様子は?
出産が終わると、夫は子どもの誕生を喜びつつも、少し顔はやつれていました。このとき、「ああ、私だけでなく夫にとっても出産は大変だったんだ」と感じ、心から感謝しました。そして、よく話に聞くように、「立ち会い出産では、夫は無力だろう」と思っていたことを反省。
自分だけが痛くてつらい思いをしているわけではなく、夫には夫の大変さがあると理解しました。夫婦は二人三脚といいますが、本当にその通りだと実感できました。
出産は妻だけが大変なのではなく、夫にも夫の大変さがあると感じました。出産のときだけでなく、お互いに支えあって、励ましあって、2人で乗り越えていけたら素晴らしいと感じた体験でした。
著者:富士ちあき
一児の母。子宮筋腫や切迫早産を経験しながらも無事に男の子を出産。自身の体験をもとに妊娠・出産・子育てに関する体験談を中心に執筆中。
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