娘と接してほしいとお願いしても、「女の子の遊びはわからない」「家族3人でスーパーに行ったりしてるじゃん!」と、どこか娘に対して素っ気ない夫。どうにかならないものかと、私はずっと頭を悩ませていました。
素っ気ない夫
私が娘を連れて実家に帰ると、両親は娘にかまいきり。家では私しか遊び相手がいないので、娘も饒舌に。「パパが『女の子の遊びはつまんない』って言ってた」「悲しかった……」と、ぽつりと私の両親にこぼしたそうです。
それを聞いた私は、別居を決意。「早く帰ってくる」という約束も何度も破られてきたので、実家で娘を育てた方が良いと判断したのです。
家に帰ってから、夫に「ずっとこんな状態なら実家に帰ります」「このままずっと私が育児や家事をするんだよね?」と言うと、夫は大焦り。
「来週の休みは必ず、絶対に遊びにつれてくから!」「俺だって娘のことは大好きなんだ、ただ楽しませることができるか不安で……」「ちゃんと向き合うから、実家に帰るなんて言わないでくれ!」
あまりの必死さに、私はもう一度だけ夫を信じてみることにしました。しかし、これが間違いだったのです……。
ずぶ濡れの娘
1週間後――。
「パパとのお出かけだ~!」と喜んで、夫と手をつないで遊びに行った娘。しかし、しばらく経って、大雨の中ずぶ濡れになって家に帰ってきたのです。「パパはお仕事入ったんだって……」と泣きながら言う娘を見て、私の堪忍袋の緒は切れました。
突然車を降ろされ、一人で帰れと言われた娘。もうすぐ5歳とはいえ、まだまだ幼い子どもです。夫はいったい何を考えているのでしょうか……。私は怒りに震えながら、夫に電話をかけました。
「うちまで一本道のところでこっちは降ろしてやったのに」
「雨が降ってるからなんだ?こっちは仕事なんだぞ」
「家には着いたんだから別にいいだろ」
とまったく悪びれない様子です。悔しさのあまり言い返すことができず、スマホを握ったまま立ち尽くしていると……
「子どもを雨の中放っておくほど重要な仕事は任せてないが?」
私の代わりに夫に返事したのは、夫の直属の上司。大雨の中車を降ろされ、呆然と立ち尽くしていた娘をたまたま見つけ、うちまで送り届けてくれたのです。
「実は取引先から連絡がありまして……」と言い訳をしぼり出した夫。「どこの取引先だ?確認させてもらうよ」と上司に言われ、夫はしどろもどろに。さらに上司は追い打ちをかけます。
「実はな、近いうちにお前に聞こうと思っていたことがあるんだ」
「新しく入った派遣社員とどのような関係なんだね?」
「その派遣社員さんからさっき、私に『息子が怪我をしたから明日休ませてほしい』と連絡があったぞ」
「もしかして、お前が娘を雨の中放り出したことと関係あるんじゃないか?」
蚊の鳴くような声で「そんなわけ……ないですよ……」と返事をした夫。「じゃあ今すぐ家に戻ってこい」と上司が言うと、「それは……」と言葉を濁したのです。
判明した衝撃の事実
数日後――。
上司から聞いたところによると、夫は会社の派遣社員と不倫関係にあったそうです。その不倫相手はシングルマザー。不倫相手の息子が怪我をしたと聞いて、夫は血のつながった娘を雨の中放り出し、不倫相手とその息子のもとへ駆けつけたのです。
「シングルマザーでいろいろ大変だって聞いて、手伝いをしてたらこんなことになって……」「離婚したいとか、家庭に不満があったわけじゃないんだ……」と夫。実の娘の育児すら何もしていなかった人が、どうして他人の子どもをかわいがることができるのでしょうか?
不倫相手は「自分は女性だから息子と満足に遊んであげられない」と言っていたそうです。本当に夫とお似合いですね。
実の娘より他人の子を優先する父親なんて、必要ありません。何度謝られたって許すつもりもありません。何より、娘との関係改善の最後のチャンスを潰したのは夫自身です。
その後――。
それからすぐに、私たちは離婚。はじめは離婚に反対していた私の両親と義両親でしたが、夫の不倫や今までの態度を説明すると、納得してくれました。
私は実家に戻り、両親の助けを借りながら、娘を育てています。娘は私の両親に構ってもらえてうれしいのか、笑顔が増え、活発で明るくなりました。シングルマザーは大変ですが、娘にたっぷり愛情を注いで育てていきたいと思っています。