2019年10月から幼児教育・保育の無償化はスタートしました。このとき以降、幼稚園・保育所・認定こども園など、対象となる施設の利用料は無料となり、子育て世帯の負担を軽減していました。2024年10月以降は、どう変わっていくのでしょうか。
2024年から有料ってどういうこと?
幼児教育・保育の無償化には、例外への経過措置が定められていました。それは「5年間は猶予期間として、認可外保育施設指導監督基準を満たさない認可外施設に通う子どもについても、施設が都道府県に届出をしていれば、無償化の対象とする」というもの。つまり、5年間が経過したのち、基準を満たさない認可外施設の利用料が有料になると決められていて、それが2024年の10月なのです。
基準を満たさない認可外施設・認可外保育園とは、国が定めた設置基準はクリアしていないけれど「認可外保育施設に対する指導監督要綱」に定められた基準はクリアして運営許可を得ている保育施設のことを言います。
保育料は認可外保育施設によってさまざまですが、認可保育園に比べて高いケースがほとんどです。経過措置の期間内である2023年12月現在は、3歳から5歳においては、認可保育所における保育料の全国平均額(月額3.7万円)までの利用料が無償化されています。これが自己負担になると、大きな痛手です。
保育園に入れない、転園もできないのに…
こども家庭庁によると、2024年以降、全体の約25%・約3500の施設が保育料無償化の対象から外れてしまうそうです。
子育てをしている誰もが、自身が選択した保育施設に通えているわけではない現状。空きがない以上、有料になったからといって、簡単に転園できるわけではありません。やむを得ず認可外保育施設を選んでいる人も少なくない中、ただただ有料になってしまうのでしょうか?
保育園の合否が出始めている今日このごろ、SNSでは認可外保育施設が無償化の対象外になることを問題視している人も見られました。
もし子どもを産んだとしても、無償化の対象となる保育施設に入れるとは限りません。また、万が一入れなかった場合は、高い保育料を支払って認可外保育施設に入れることもあるでしょう。そんな、ある種賭けとも言える子育て環境下で、子どもを生み・育てようと思えるのでしょうか?
約50%が「出産をためらう」という結果に…
ベビーカレンダーでアンケートをとったところ、47%もの人が「出産をためらう」という結果になりました。これをきっかけに、約2人に1人が出産を見送ってしまったらと思うと、恐ろしいですね。
2023年の日本国内の出生数は、推計で72万6千人程度になるそうです。2022年と比較すると、5.8%ダウンしており、過去最少という結果になりました。さまざまな要因があると思いますが、少子化に歯止めがかかっていないのが現状です。
少子化に歯止めを!
保育を必要とする保護者が安心して子どもを預けられる環境は、少子化に歯止めをかけるカギといっても過言ではありません。
安心とは、経済的負担の軽減はもちろんのこと、子どもを預ける環境が安全であることも欠かせません。つまり、基準を緩めて無償化の対象となる施設を増やせば良い、と言うわけではないのです。
2024年10月が差し迫る中、今後の政策に注視していきたいと思います。
どんな環境があれば、安心して子どもを生み・育てられると思いますか?あなたの意見をコメント欄から聞かせてください。