それでも、努力すればすこしずつ距離は縮められると前向きに考えていたのですが、義実家の近くに引っ越しをすることになり、私の考えは変わり始めます。
義母のアポなし突撃がスタート!
引っ越しをした途端、義母のアポなし突撃がスタート。無理やり家に上がり込んで、私のことを批判して帰ります。夫が義母に注意をしても聞く耳を持ちません。
連日連夜訪ねてくるようになると、さすがの夫も疲れ果てたようで、ついに「もう来ないでくれる?」と義母を突き放しました。すると、目に涙をいっぱいためて大号泣しながら走り去ってしまったのです。
その翌日。夫がいないときを狙って、またわが家にやってきた義母。仕方なく玄関先で対応すると「私をきらうように息子に言ってるんでしょ?」とネチネチ文句を言うのです。
結局、義父に頼んで義母を制してもらい、やっとアポなし突撃はおさまりました。
息子に似たかわいい孫が欲しい
それからしばらくして、私の妊娠がわかりました。安定期に入るころ、義両親にも電話で報告をしたのですが、義母は大喜び! きらいな嫁の子どもなんて興味がないと思っていたので、予想外の反応でした。
しかし義母は「私は絶対に男の子がいい! 息子に似たかわいい男の子! 名前は……」と大暴走! まるで自分が出産するかのようでした。ゾッとしてしまいましたが、その場で義父がなだめてくれ、義母の暴走はおさまりました。
それでも孫の誕生を待ち、洋服やおもちゃなどをたくさん用意していたようですが……。
孫なんていらない!
その後、私はかわいい女の子を出産。顔立ちは私にそっくりです。私たち夫婦はもちろん、両親や義父も娘の誕生を心から喜んでくれました。
しかし義母はというと、お祝いの言葉もなければ労いの言葉もなし。娘の顔すら見ず、かわいくない、頭が悪そうだとけなしてばかりです。「息子泥棒と同じ顔の孫なんていらない!」とご立腹……。
いらないと言われたなら仕方がありません。夫は「いらないならいいよ! 母さんとは縁を切る」と告げました。
義母の間違った愛情表現
まさか大好きな息子から見放されると思っていなかった義母は動揺していましたが、さらに追い打ちをかけたのが義父の言葉でした。「俺も、母さんとは離婚する」これには、その場にいた全員がビックリ……。
どうやら孫をけなしたことが離婚の決め手になったようです。たしかに、こんなおばあちゃんでは、家に遊びに行くこともなければ一緒に旅行に行くこともないでしょう。そんな老後を想像したら、恐ろしくなったようです。
それからすぐに義両親の離婚が成立。1人暮らしになった義父のところへ私たち家族が引っ越し、同居がスタートしました。
離婚後、義母がどうしているかはわかりません。しかし、数年後に生まれた息子は夫そっくり。義母に会うことはありませんでしたが、瓜二つなので、もし義母がいたらどうなっていたことやら……。考えたくもありません。
自分が手塩にかけて育てた息子が、これから自分の手で幸せを掴もうとしているところで、親がそれを邪魔しては元も子もないですよね。義母は、間違った愛情表現で自分の老後を寂しいものにしてしまって、本当に残念です。