ことの発端は、最近幼稚園に転入してきたサナちゃんのママ・ハナエさん。わが家が幼稚園の目の前だと知り、送り迎えをする際に、断りもなくうちの駐車場に無断駐車するようになったのです。
迷惑なママ友の言い分
車を勝手に停められてしまうと、遊びに来てくれる友人が停められないので困ってしまいます。私が車をどけてほしいとお願いすると「ここに停めれば私も歩かなくてラクできるのよ」と堂々と言ってきます。
幼稚園にも駐車場はありますが、5分ほど歩かねばなりません。また、わが家は駅からも近いので、便利なことも事実です。だからと言って停めていいとは言えません。何かにつけて車を停められるので、私もだんだん抗議するのが面倒になってきてしまいました。
抗議をしなくなるとハナエさんは調子に乗って、送り迎えの一時的な駐車にとどまらず、車を置いてどこかに出掛けてしまうようになりました。朝幼稚園に送ったときに駐車して、車がなくなるのは夕方なんて日も……。図々しさに頭を抱えてしまいます。
最後の忠告
それでもどうにか耐えられたのは、もうすぐ引越しをするから……。ついに引越しの前日になり、私は娘が幼稚園に行っている間にあれこれ手続きをしに出掛けていました。家に帰ってくると、今日もまたハナエさんの車が……。
近くに姿が見えないので電話をかけてみると「今から旅行だから、戻れないわ~♪」と信じられないことを言います。サナちゃんの迎えを義実家にお願いし、どこかに旅行に行ったようで、戻るのは明日の夕方とのことでした。
「今日は何が何でもどけてもらわないと困ります!」と私が言っても「無理だってばぁ〜ケチね」と笑っています。そして「ハナエー! 早く行こう!」と、遠くから男性の声が聞こえた途端、電話は切れてしまいました……。
そして翌日。私たちは予定通り、家を引き払って出発しました。
だから言ったのに…
私たちが引越しをした日の夕方、ハナエさんが車を取りに来たようで、私のスマホに着信が入りました。電話の向こうで焦っている様子のハナエさん。きっと、目の前に見えているのはシャッターがおりたガレージと、そこに貼られた「売屋」の文字でしょう。
「文字通り、その家は売りましたよ。私、何が何でも取りに来てって言ったじゃないですか!」そう言い終えるころには、ガシャンガシャンと大きな音が聞こえてきました。どうやら、ハナエさんはシャッターを壊して車を出そうとしているようです。さすがにマズイと思い、私たちは一旦元の家に戻ることにしました。
元の家に到着すると、幼稚園のママや子どもたちも集まっていて、大騒ぎになっていました。そこに1人の男性が歩いてきました。「ハナエ……?」その声の主は、ハナエさんの夫でした。
目撃者はすぐそばに!
「どういうこと?」と夫はハナエさんを問い詰めますが、ハナエさんは何も言えません。ピンと来た私は「あれ? 旅行は旦那様と行ったんじゃなかったんですね! 電話の向こうから男性の声が聞こえたからてっきり……」と言ってやりました。
その上、娘が「サナちゃんのパパって金髪でしょ? この人がパパなら、いつもこの車に乗っていた人は誰なの?」と不思議そうにしています。娘は、幼稚園の園庭から車を運転する男性の姿を何度も目撃していたのでした。
「ここうちの駐車場だったんですけど、勝手に停められて困っていたんです」と言って、再び不動産屋から借りたシャッターの鍵をハナエさんの夫に渡しました。
ハナエさんの夫は、ハナエさんの制止を押し切って車を開け、ダッシュボードや足元をチェック。すると、ホテルのポイントカードや男物の洋服がわんさか! もう言い逃れはできません。気まずそうに立ち尽くすハナエさんを見て、スカッとしたのでした。
幼稚園の前という便利な立地がアダとなり、不倫がバレるという結果になってしまいましたね。『身から出たサビ』としか言えない出来事でした。