逆プロポーズに彼は…
私は、自宅に彼を呼んで勇気を出して逆プロポーズ。「私と結婚してくれませんか? 2人とももうアラサーだし、付き合って5年。子どもも欲しいなら、タイミング的にそろそろかなって……」
しかし彼は、「うん……そうだね……。でも、ちょっと待って。気持ちはうれしいけど、結婚は重要なことだから、少し考えさせて」と口ごもったのです。即答してくれなかったことがショックではあったものの、「真剣に考えて答える」と言った彼を信じて、その日は解散したのです。
ところが、その日から彼とは一切連絡が取れなくなってしまいました。電話でもSMSでも音信不通のまま、とうとう1カ月が経過。着信拒否までされてしまった様子です。実家暮らしの彼のところにストーカーまがいのことはできず、そもそも私との結婚が嫌で逃げた相手にすがっても無駄だと諦めようとしました。
逆プロポーズなどせずに、「彼が決心するのを待っていたらよかった」と自分を責めもしましたが、時すでに遅し。ちゃんと別れることすらできず自然消滅してしまい、私は悲しみのどん底を味わいました。
それから10年が経過
それから私は仕事に集中し、彼を忘れることにも成功。あっという間に10年が経過して、今や部長になっていました。充実した1日の後、帰宅のため社外に出ると……。
「やっと会えた!」
なんと、10年前に私の前から消えた彼が、突然姿を現したのです。そして、大困惑する私に信じられない言葉を発しました。
「じっくり考えてやっと覚悟が決まった。プロポーズを受ける。結婚しよう!」
ドン引きする私に、なんと彼はひざまずいて指輪まで差し出してきました。
いまさらですか?
「10年前、たしかに私はあなたに逆プロポーズした。でも、直後に姿をくらましたのはそっちでしょ!」。あきれた私はそう言うのが精いっぱい。しかし、彼は平然と言葉を続けます。「待たせてごめん。でも、少し考えさせてって言ったろ?」
コイツにとっては10年がちょっとなのか!? 着信拒否していたくせに! と、沸き起こる怒りを抑えながら私がたたずんでいると、気を良くした彼がさらに発言。「またまた~、俺が戻ってくるのを待っていたんでしょ?」
そこで私は言ってやりました。「そうね、この瞬間を待っていたのかも……」
「私ね、6年前に結婚して今とっても幸せなの。あなたと結婚しなかったおかげで、すてきな夫に出会えてかわいい娘にも恵まれた。仕事もプライベートも順風満帆。逃げ出してくれてありがとう。でも金輪際、近付かないで。あなたと私は他人ですから」
全部バレバレ
これで彼とは完全に別離できたと思ったのもつかの間。私は1週間後に、再び社外で待ち伏せされてしまったのです。
「俺にはお前しかいない! 10年間忘れたことはなかった!」と叫ぶ彼。元カレの情けない姿に私もがっかりです。「よく言うわ。あなた3回も離婚しているよね? 10年前も私は三股かけられていた。結婚したら遊べなくなると思って逃げたんでしょ? 全部バレています」
私が真実を突き付けると、彼は慌てふためいて言い訳を始めました。しかし私は一刀両断に。
「裕福な家の女性と結婚しては不倫、慰謝料滞納して音信不通に……。都合が悪くなると逃げるのは昔からね」
付きまとわれる不安があったため、私はこの1週間で彼の10年間を調べ上げたのです。部長にまで昇格した私のお金を頼って現れた魂胆も明らかでした。すると彼は目に涙を浮かべて、文字通り私にすがりつこうとしたのです……。
今の幸せは元カレのおかげ!?
そこに、わが社の社長が飛んできました。社外でもめていたら人目にもつくので当然なのですが……。
「社長、お騒がせしてすみません」と謝った私に、「何を言っている! 今はそれどころじゃないだろ」と社長は、私をかばうように彼の前に立ちはだかりました。
「お前か、俺の妻に近付く勘違い男は!」
そう、社長は私の夫。仕事にまい進していた私は彼と恋に落ち、今に至るのです。彼は悔しいのか顔を真っ赤にして震えていましたが、駆け付けた警備員に連行されていきました。
その後、私は弁護士をつけて接近禁止令を出してもらい、慰謝料の支払いに追われる彼に付きまとわれることもなくなりました。
愛する夫と娘との生活は、彼が逃げてくれたおかげ!? そう考えると彼の末路が少し哀れですが、私自身は今の幸せがいつまでも続くよう、仕事でも家庭でも誠実に生きていきたいと思います。
--------------
5年も付き合った相手から突然着信拒否はつらいですね……。それを乗り越えて頑張ったからこその10年後。どんな将来が待ち受けているのかは誰にもわからないですが、真面目で誠実な人が報われてよかったですね。
ウーマンカレンダー編集室ではアンチエイジングやダイエットなどオトナ女子の心と体の不調を解決する記事を配信中。ぜひチェックしてハッピーな毎日になりますように!