我慢が当たり前だった幼少期
父親から母親への、身体的・精神的DVが原因で離婚した私の両親。その後、母子家庭で育ててもらった私は、夫婦のコミュニケーションの取り方などわかりませんでした。
また、社会やお金についての家庭教育もまともに受けたことがありません。母子家庭でストレスが蓄積した母は、時にヒステリックに叫び、私たち姉弟も人格を否定されることすらあり、私の幼少時代は我慢の連続でした。
やがて、そんな環境から今すぐ抜け出し、幸せな家庭を作りたいという、今思えば逃げているとしか思えない心境で夫と一緒になったのです。
生活費はすべて私が負担…
結婚して初めのころ「どうして私と結婚したの?」と聞くと、夫は「お前がバカだったから」と一言。今そんな言葉を聞こうものなら離婚ものですが、自己肯定感の低すぎた当時の私は、その言葉を普通に受け入れていました。
世間知らずな私だったので、こんな私と一緒にいてくれるなんて、口は悪いけど本当にいい人だとさえ思ってました。
そして、夫の給料よりも私の収入が高いとの理由で、結婚してから家賃や食費、子どもにかかる費用など、生活費のすべてを私の口座から支払うことになったのですが、私は夫の言うことが一番正しいと信じて従っていたのです。
自由を奪われていたことに気づいた
結婚して数年は特に不満もなかったのですが、家事も育児もせず、偉そうに振る舞う夫に不信感が生まれ、時を重ねるごとに不満が積もっていきました。しかし、いくら夫に思いを伝えても、見下している私の言うことなんて聞くわけもありません。私はこの状況になってやっと、夫に自由を奪われていたことに気づいたのです。
それから私は、自分の人生において正しい判断ができるよう、お金に限らず、高額療養費制度の申請方法や、該当していても申請しなければ受けられない補助やサービスがあること、世の中に出回っている商品の中には大げさに特長や価値を謳っているものもあり、それによって購買意欲を刺激されていることなど、いろいろな世の中の仕組みを改めてを学んでいます。
そして子どもたちへも、情報をたくさん得て自分で選択していくことが大切だと伝えられるようになりました。私が精神的に自立して、選択肢が広がった道を自由に進む未来を想像すると、夫が態度を変えて来る姿しか見えず、そのときがとても楽しみです。
この出来事は私の自己肯定感の低さや、知識不足を痛感した体験として大切に胸に留めています。この体験があったからこそ、自分で知識を得て判断していくことの重要性を学べました。子どもたちにもそのように教育できるようになり、結果的にはよかったと思います。
※本記事の内容は、必ずしもすべての状況にあてはまるとは限りません。必要に応じて医師や専門家に相談するなど、ご自身の責任と判断によって適切なご対応をお願いいたします。
著者:丸田 ひめこ/2007年に長女、2009年に次女、2011年に三女、2017年に長男を出産し、フルタイムで働く4児のママ。稽留流産経験あり。カウンセラーとして、ママや子どもたちのカウンセリングをおこなっている。
イラスト:ななぎ
※ベビーカレンダーが独自に実施したアンケートで集めた読者様の体験談をもとに記事化しています(回答時期:2023年12月)