両親に先立たれ、とてもさびしい思いをしていたときに彼と出会い……。あれよあれよという間に、新婚生活がスタート。
笑顔あふれる結婚生活を思い描いていましたが、全然楽しくないのです。次第に私は彼に違和感を覚えていきました。
夫は残業続き…すれ違いの結婚生活
先日、私たちは婚姻届を提出。日にちを決めて夫と約束していたのですが、彼は忘れてしまっていて……。用事があってどうしても行けないと言われたため、仕方なくひとりで行ってきました。最近外せない用事があるとことあるごとに言うのですが、何か隠しているようで気になっています。
わが家は共働きで、夫はいつも残業ばかり。休日も、用事があると言って夫はひとり外出してしまうので、新婚らしい生活がまったくできていません。こんなにも一緒に過ごす時間がないと、本当に愛されているのかとても不安になります。
ついに爆発した私は、夫を問い詰めました。仕事が忙しいのは仕方ないにしても、せめて大事な用事が何であるかくらい教えてほしかったのです。すると、夫が思いがけない告白をしてきました。
夫への思いを踏みにじられて…
夫の大事な用事というのは、義父の看病でした。難病を患っているらしく、夫や義母が看病を手伝っているとのこと。結婚前に義両親に挨拶できなかたせいのも、このことが原因だったらしく……。義父の病気を知ったら、私が離れていくのではないかと思ったそうです。
事情を聞いてすこしでも役に立ちたいと思い、足の悪い義母の手伝いをすることにしました。それからの私は、仕事に家事にお手伝いに、大忙しの毎日です。
ただ忙しいだけなら、頑張って続けられたと思うのですが……。義母の人使いの荒さは半端なく、気に食わないと暴言を浴びせてきます。そのことに私はだんだんと耐えられなくなり、夫に愚痴をこぼしました。すると夫は、自分から言い出したことだから文句を言うなというのです。
その上、義父の手術代500万円を私の貯蓄から出せと言ってきたので、もう開いた口が塞がりません。そのために結婚したんだとまで言われ、目の前が真っ暗になりました。私は夫にすっかりだまされたようです。離婚されたくなかったら大人しく協力しろとまで言われました。
それから2週間、夫はお金をせがみ続けました。
「親父の手術代の500万まだ?」
「早くしないと親父の命が危ないだろ」
そのころには私の夫への愛はすっかり冷めていましたし、信じられない事実も知ったので、もう彼の言うことを聞くつもりはありませんでした。
「命とかどうでもいい」
あきれて笑いまで漏れてしまった私に、夫は怒りをあらわにしました。
「は? 何笑ってんだテメェ」
義父の難病というのは…
じつは私、貯蓄の500万円を自分のために使ってしまいました。古民家を買い取ったので、これから自分でリフォームしていこうと思っています。こういうことに前から憧れていたのですが、なかなか実行に移せていませんでした。
しかし結婚生活が始まり、何かがおかしいと思うようになって事実を探るうち、私は変わりました。なにしろ私、何もかもだまされていたのですから。義父が難病というのも嘘。交通事故でけがをして、入院しているだけでした。
しつこく工面しろと言ってくるお金も、夫と義母が作った借金を返済するためのお金だったのです。義父が入院していない間に2人で豪遊したらしく、それで作った借金を義父に知られないうちに返済したかったと……。私にはまったく関係ないことなので、1円も出すことなく、さっさと別れて家を出ました。
今は働きながら、リフォームを楽しむ毎日を送っています。
◇ ◇ ◇
お金目当てだったと知ったときは落ち込んだかもしれませんが、夫の本心が早くわかってよかったのかもしれません。辛かったことは忘れて、古民家ライフを楽しんでほしいですね。