ある発言にモヤッ
私が勤める会社は、従業員が30人未満の中小企業です。生理休暇という制度が法律上整っているのは知っていましたが、私の会社ではどう使ったらいいかわからず……。そのため、生理でつらい日は有給休暇を取って休んでいました。
生理痛が重いのは毎回のことなのですが、数カ月に1度、吐き気を催しベッドから起き上がれないほどの症状が出るときがあります。必ず家で安静にしているのですが、ある日の勤務中にその症状が表れてしまいました。
その日は午前中の仕事を終えたころに腹痛が始まり、だんだんと吐き気を催してきたため、休憩室で横にならせてもらうことに。すると、男性上司が様子を見にきて「大丈夫か? うちの嫁さんも昔はよくこうなってたし、まあ無理しないで」「女性は月のもんがあるから、いろいろ大変だよなあ」と言ってきました。
私は男性上司に「生理痛で体調が悪い」とは言っていなかったため、一方的に判断され「生理でつらいだろう」と言われたことに、なんとなく嫌な気分になってしまいました。男性上司はあくまでも心配して声をかけてくれたと頭では理解していましたが、「生理」というプライベートな部分にズカズカ入られたような気持ちになってしまったのです。
女性の先輩が…
その後、様子を見にきてくれた女性の先輩に「こんなことがあって……」と、先ほどの男性上司との出来事を相談。すると、先輩は「生理とすら言っていないのに、わかってる風に言われると不快に思う気持ちはわかるよ。少しデリカシーが足りなかったかもね」と共感してくれました。
それから、先輩は「うちの会社でも生理休暇が自然に取れるようにしたいよね。少し動いてみる」と言ってくれて、全女性社員に対して「生理休暇を取得したいときや体調不良の際には、遠慮なく女性の私に相談してください」とメールを送ってくれたのです。
あとから聞いた話ですが、先輩が役員に生理休暇について話をしてくれたのだとか。おかげで、女性社員が気軽に生理休暇を申請できるようになり、とても働きやすくなりました。
男性上司からしたら「親切心」だったとは思いますが、生理に関する内容はデリケートなので、言われたほうは傷つく場合もあります。男性から生理について言われることに抵抗感がある私は、あのときモヤモヤしてしまいましたが、女性の先輩が親身になって話を聞いてくれたため心が軽くなりました。先輩にはとても感謝しています。
著者/神山のぞみ
監修/助産師 松田玲子
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