とある週末、いつものようにデートをしていると、彼に「これ受け取ってもらいたい。結婚しよう!」とプロポーズされました!もちろん私は「うれしい……! 喜んで♡」とプロポーズを受け入れ、婚約することに。
「婚前誓約書」って!?
彼からプロポーズされ、私たちが婚約した話はすぐに会社でも広まりました。幸せいっぱいの日々を過ごしていましたが、プロポーズされてから1週間が経ったある日、彼の家で1枚の用紙を渡されたのです。
その用紙には「婚前誓約書」と書かれていて、理解を深めてほしいからと音読させられました。
1.結婚後、仕事を辞めて専業主婦になること
2.自分の親より婚家の親を大切にすること
3.婚家では嫁としての仕事をまっとうすること
4.家事育児は夫に手伝わせることなく、一人でやりとおすこと
5.子どもは3人以上産むこと。男児は最低一人は産むこと
6.食事はすべて手作りすること
7.何よりも夫を重視して行動すること
私はその衝撃的な内容に驚きすぎて、読んでいるうちに軽いめまいを覚えるほど。手の込んだ冗談かと思い、彼に聞いてみると……
身に覚えのない噂が
「この条件飲めないっていうの? じゃあ俺と結婚したくないってこと?!」と明らかに不機嫌に。これからの結婚生活に不安しか見出せず、プロポーズを受けたことさえ後悔しはじめました。
そんな私を気にも留めず、「俺はお前が穏やかな結婚生活ができるようなルールを考えてやったんだぞ!」とまくし立てます。私は「また連絡するから、今日は一人にして」と彼の家を後にしました。
翌日会社に行くと、なぜかみんなが私を白い目で見てコソコソと内緒話をしています。何があったのか同僚に聞いてみると、「あなた、指輪を受け取るだけ受け取って、他に男がいるから婚約を破棄したいって言ったの!?」と身に覚えのない話をしてきました。
どうやら彼が、嘘の噂話を広めていた様子。
彼の本性が明らかに!
我慢の限界がきた私は、昼休みに社員食堂へ。そして同僚たちと食事をしている彼のもとへ行き、彼に渡された「婚前誓約書」を大声で読み上げました。
そのとんでもない内容を聞いて、同僚たちは驚いて彼の顔を見つめ、周囲がざわつき始めました。
すると彼は「嫁になるんだから夫を立てるのは当然だろ!? 女のくせに出過ぎた真似するな!」と言い、さらに「今までのデート代とプレゼント代、全部返せ!」と要求してきました。
とんでもない彼の末路
私は大勢の前で、「あなたとは結婚できません。別れましょ、さよなら!」と言い放ち、仕事に戻りました。
その後の彼はというと、本性がバレて白い目で見られるようになり、会社に居づらくなってそのまま退職。同僚から聞いた話によると、彼は周囲に自慢するために借金して高級婚約指輪を購入したんだそう。今は仕事も辞め、その借金の返済に追われて苦労しているのだとか。
彼が流した変な噂の誤解がとけ、私はまた一生懸命働いています。結婚して妻になることは、夫のいいなりになることではありません。婚約破棄まで大変なことはあったけれど、結婚前に夫の本性に気づけて良かったです。