私は専業主婦で家事全般を任されていたのですが、なかなか義母に努力を認めてもらえず、悩んでいました。正直、嫌味とも取れるような発言ばかりで、何かあると「嫁だから」 と言って私は仲間外れにされていました。
さらに義母は夫に対して「嫁を気に入ってほしいのなら、海外旅行くらい連れていきなさいよと……」と言ってきたのです。わが家はそんなに余裕がないのですが、2人の貯金をかき集め、義理の両親を招待することに。もちろん、義家族のしきたりから嫁の私は留守番で……。
留守中に義姉が訪ねてきて…
家族が旅行中、私はのんびりしていました。仲間外れにされていささか気分は良くありませんでしたが、気兼ねなく過ごせるのはホッとしていたのです。
しかし突然玄関の鍵が開く音がして、身構えていると、義姉が家に入ってきたのです。お互いにびっくりして、悲鳴を上げてしまいました。義姉は、思い出の写真を取りに来たとのこと。今度友だちの結婚式があり、必要なのだそうです。帰りも駅までタクシーに乗ると言っていたので、車で送り届けたところ、とても感謝してくれました。普段何をしても義母たちからはこういう反応がなかったため、とても新鮮でした。
「さっきは突然実家に行ってごめんね」
「旅行に行かなかったんだ?」
電車に間に合ったと義姉から連絡をもらったとき、今回の旅行について尋ねられました。
「私は嫁なので留守番なんです」
私の返事に驚く義姉に違和感があった私は、家族のしきたりについて質問することにしました。
救世主に羽を授けられた!
私の問いに、義姉は逆に質問してきました。これがいつもの事なのかと。告げ口のようで何だか嫌でしたが、義母にされてきたこと、夫は義母にいろいろ言ってくれたが何の意味もなかったこと、半ば強引に夫が海外旅行に連れて行かれたことを伝えました。すると、義姉はしきりに謝ってくれて……。義姉は母親の訳のわからない発言や行動、弟の口下手で弱いところを指摘し、申し訳なさそうにしていました。そして自分は親とは同意見ではないため誤解を解きたい、これからは味方になると言ってくれ、一緒にこれからの事を考えてくれたのです。
まだ義理の両親には言えないでいるのですが、実は最近妊娠がわかり、そういう意味でもこれからのことはとても不安に思っていました。そのため、義姉が味方になってくれるというのは、とても心強かったです。
いろいろと相談した結果、私は荷物をまとめて出ていくことに。自分たちが持ってきた家電や家具もすべて運び出すことにしました。義姉が作業など手伝ってくれ、おなかに負担がかからないようにしてくれました。部屋探しや引越しの手配、夫への連絡など、秘密裏に動いてくれて本当に助かりました。
明るい未来へ
いよいよ義父母たちが帰国する日。夫は帰国のどさくさに紛れて、空港からひとり新居へ。夫を見失い、連絡もつかなかった義父母は、ひとまず2人で帰宅。様子の変わったわが家に仰天したようです。私の姿が見えず、家財道具一式が消えていたのですから。
慌てた義母はあちこちに連絡し、義姉にも何か知らないかと尋ねてきたそうです。義母に対して強い怒りを感じている義姉はここぞとばかりにしかり倒し、私たち弟夫婦には金輪際関与しないよう忠告してくれたそう。
このように思い切った決断ができたのは、すべて義姉のおかげでした。
また生まれてくる子どもの成長も一緒に見守っていただけたらと思っていることを義姉に伝えると、成長が楽しみだととても喜んでくれました。私の妊娠を義姉から聞いた義母は、改心すると急に言い出したようです。接見禁止と義姉からすでに伝えてもらっていますし、もちろんこの先孫の顔を見せることはありません。
今私たち夫婦は、明るい未来へ向かって新しい一歩を踏み出しました。家族みんなで仲良くずっと暮らせるよう、我が家のルールを決めたいと思います。決して家族の誰かを疎外するような、悪いしきたりは作りません。
パートナーの親と同居するということは、なかなかに覚悟がいるもの。理不尽ともとれる義実家のルールを課せられた妻さんに、義姉が味方についてくれ、手助けをしてくれて本当によかったですね。義両親から離れられたことで、出産の準備も穏やかにすすめられるのではないでしょうか。生まれてくる子と一緒に新たな人生を歩んでいってほしいですね。