近くに座っていた2人組の男性が「おい、あのふたり、間違えて入ってきたんじゃねーか?」「貧乏人は回転寿司でも行ってろよな~!」とわざと聞こえる声で喋っていたのです。
せっかくの娘の誕生日なので、聞こえないフリをしていたのですが、酔っている2人組はさらに絡んできました。
「シンママが高級寿司!?」嫌味を言われて
私たちに「あの~お店間違えてますよ?」「お会計見て驚く前に『間違えました』て言った方がいいんじゃないですか?」と失礼なことばかり言ってきます。
そして、「あ、もしかして旦那があとから来るとか?」と言ってきた人に、シングルマザーであることを伝えると、「え? シンママが高級寿司!?」「金遣いが荒くて旦那に捨てられたとか?」と偏見の目で私のことを見てきました。
見た目だけで判断されて
あまりにもひどい態度に、店員さんが止めに入ってくれたのですが、2人からの嫌味は止まりません。
私が「人を見た目で判断するのはよくないですよ」と言うと、「はぁ? 貧乏人が口答えしてんじゃねーよ! 俺たちは大企業で働いているんだぞ!」と近くにある会社の名前を出しました。
私は終始見下してくる2人に腹を立てながらも、帰ることに。娘の誕生日会は、また別日にやり直すことにしました。
翌日、まさかの再会!
翌日、会社で仕事をしていると、ドアをノックする音が聞こえました。取引先の社員が挨拶に来たとのこと。
いざ扉を開けるとびっくり! なんと昨日絡んできた2人だったのです。私の顔を見て、2人は顔面蒼白に。
私が「あら、昨日ぶりですね」と言うと、「あ、あなたは昨日の……!?」取引先の社長が私だったと知って、慌てふためいています。
今さら謝罪されてももう遅い
「昨日は色々とお世話になりました」と言うと、「も、申し訳ありませんでした!」と謝罪してきましたが、もう遅いですよね。
「あなたがたおふたりは、普段から会社名を名乗って、あんなふうに人を見下しているんですか? 御社の社員教育や取引担当の選びかたにも不信感を抱きましたので、御社とは今後の付き合いを考え直したいと思います」私は毅然と伝えました。
その後、私は彼らの行動について、彼らの会社の社長に報告すると、社長は謝罪してくれて、社員ふたりに対して大激怒! どうやらあのふたりの父親はこの企業の役員らしく、ふたりとも父親の力のおかげで入社できたのだとか。
社内でも偉そうにふるまっていたのに、ろくに仕事をしていなかったことが判明し、さらに社長に叱責されたそう。親の顔に泥を塗り見放されたふたりは、それぞれ地方の支社に転勤になり、工場勤務になったと聞きました。
傲慢な2人組の顛末
あれだけ傲慢だったふたりですから、今まで親に甘えてきた人生だったのでしょう。自分たちだけで生きるのは相当大変だと思います。
これを機に、この企業も社員教育制度を見直し、風通しの良い社風にするために交流会や意見箱の設置に取り組み始めたと社長から連絡がありました。
外見や職業だけで人を判断すると、大きな誤解を生むことにもなりかねません。人には見た目だけでは分からない価値や魅力があることを、心にとどめておきたいものですね。