新人が入社してから3カ月。何度言ってもメイクをやめず、そのたびに教育係の私まで怒られる日々が続いていました。
厄介な新人
そんなとき、社員の持ち物がなくなる事件が起きていました。最初は化粧品や雑貨だったのですが、近ごろはお金がなくなったという話もチラホラ……。
平和な私の職場では初めてのこと。私たちは自衛として机に鍵をかけたり、どこへ行くにもカバンを持ち歩いたりするようになりました。それと同時に、疑われ始めたのが例の新人です。彼女が入社してから盗難が起き始めたので、仕方がないのかもしれませんが……。
しかし「なんでみんな急に鍵をかけ始めたんですか?」と新人は訝しげ。今までが不用心だっただけだと答えましたが、新人は納得がいかないようです。「みんなで私を疑っているみたい!」と大騒ぎ。騒ぎを聞きつけた課長に、全員が怒られる事態になりました。
犯人を見つけ出せ!
もし新人が犯人でなければ、疑われるのはあまりに気の毒です。職場に泥棒がいると思いながら過ごすのも嫌なので、私はある計画を実行することにしました。
私の考えた作戦とは、手持ちの札のスミに鉛筆で小さなマークをつけておくこと。財布には最低限のお金しか入れず、紙幣の番号はすべて写真を撮って控えておきました。机に鍵をかけるのもやめ、トイレにもカバンを持っていかないことにしたので、犯人はきっと私の財布を狙うでしょう。
お金がなくなったタイミングで、次の飲み会の集金を呼びかけるつもりです。集金額は4000円。1枚くらい私の財布から抜いた紙幣を使うはずです。
罠にかかった犯人
作戦を決行した数日後、思ったとおり中身が減っていました。今がチャンス! 私はその日の昼休みに集金を呼びかけました。
しかし新人が出してきた4000円には、私がつけたマークがありません。作戦は失敗だと思ったそのとき、別の同僚から渡された千円札に、私がつけたマークがありました。まさかこの人が……とショックを受けましたが間違いありません。私は、証拠として残しておいた写真を見せて、同僚を問い詰めました。
同僚はすぐに罪を認め、破天荒な新人が入った今なら雲隠れできると考えたと自白。ほんの出来心だったと言いますが、許されることではありません。
新人のその後
その後、被害にあった全員が被害届を提出。同僚は解雇されました。そして見た目だけで新人を疑ったことを、私たちは深く反省しました。
もちろん見た目で決めつけたことは間違っていますが、新人も職場の決まりを守らなかったことで疑われてしまったと反省したようです。これからは会社の一員としてルールを守ると約束してくれました。
その新人は今ではわが社のルーキーに。教育係としても嬉しい限りです。
人を見た目で判断してはならないと、身にしみてわかった出来事でしたね。しかしルールを守れないことでそのような目で見られて損をするというのも事実。決まりを守ることも大切ですね。
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