とんでもない場所で息子のイヤイヤが爆発し…
息子が2才のときの出来事です。
息子はそのときイヤイヤ期真っ只中で、私は毎日ヒーヒー言っていました。その日も、いつものように保育園のお迎えに行き、帰り道にある、かなり大きな道路の横断歩道を渡っている途中のこと。ちょうど横断歩道の真ん中に差し掛かったあたりで、息子のイヤイヤが爆発してしまいました。
息子は「ここはベッドの上なの?」と思うような感じで、道路に寝そべったかと思うと、すぐに全身全霊を使って泣き叫びながらイヤイヤ! もう手のつけようがありません。私は、何を言っても聞く耳を持たずにイヤイヤを続ける息子をどうしようという気持ちと、どんどん減っていく青信号の残り点灯に焦る気持ちでいっぱいに。
そのときでした。私たちのそばを、ワンちゃんと品のあるおばあさんが通っていったのです。すると、息子はワンちゃんに興味を持ち、イヤイヤが中断! しかも飼い主のおばあさんは息子に「どうしたの、一緒に渡ろうか?」と声をかけてくれたのです!
息子は大好きなワンちゃんと、素敵なおばあさんと一緒に歩き始め、無事に青信号のうちに長い横断歩道を渡り切ることができました! いつも一緒に過ごしている母親の声よりも、街中で初めて出会う人たちの声の方が子どもに届くことって結構あるなと感じています。
作画/加藤みちか
著者:天元 蘭
5才の男の子を育てる母。趣味は赤ワイン。