トイレについてくる息子
息子はトイレをしているときに見られるのを嫌がります。まだ幼いですが、「恥ずかしい」という思いがあるようです。そのため、私も普段から「ママがトイレのときも扉の前で待っていてね」と話しています。また、生理のときは経血を見られてしまうと「どうして血が出てるの?」と不安にさせるかと思い、生理のときはなおさら一緒にトイレには入らないようにしていました。
ですが、その日はなぜか息子が「寂しい。僕もトイレに入ってもいい?」と言ってきて……。この日、私は生理中だったので戸惑いましたが、息子がここまで言うことはないので、「いいよ」と一緒にトイレに入ることにしました。
おけがしたの? 息子の疑問
私は「恥ずかしいから扉を見ててね」と息子に伝えていましたが、息子はじっと私を見つめています。「仕方がないか……」とナプキンを取り替えると、息子から「血か出てるよ! おけがしたの?」と、案の定驚かれてしまいました。
「おけがじゃないよ。〇〇くんがおなかの中にいたときに入っていたお部屋があってね。おなかにある赤ちゃんのお部屋をきれいにするために、血が出るんだよ」と説明。すると息子は「痛くないの?」と心配そうにこちらを見つめてきて、どんどん泣きそうな顔に……。私は「おなかが痛くなることがあるから、よしよししてくれるとうれしいな」とやさしく伝えました。
「ママがおむつしてた」
小さいながらに納得してくれたのか、息子が生理についてそれ以上質問することはありませんでした。
しかし、帰宅した夫への息子の第一声が、「パパー! ママがおむつしてた!」だったのです。私は思わず苦笑い。息子に対して「そうなの?」と、とぼけるように夫が返事をすると、息子は「血が出て痛いからだよ」と。3歳の息子なりに、私が説明したことを理解してくれたのかなと思いました。
そしてこのとき以降、「血が怖い」と息子がトイレについてくることはなくなりました。今では私が生理中で「おなかが痛い」と横になっていると、「血出ちゃった?」と心配そうにおなかをなでてくれます。
思わぬタイミングでやってきた、息子に生理を伝える日。私自身、彼が生理について知るのはまだまだ先のことだと思っていたので、突然のことに戸惑いました。ただ、小さいながらに理解しようとしてくれた息子を愛おしく思います。生理についてより詳しく教えるのは何年も先のことだとは思いますが、その日がきたときにいつでも説明できるようにしておこうと思った経験でもありました。
著者/水谷ユリ
イラスト/Ru
監修/助産師 松田玲子
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