幼なじみには申し訳ないですが、こればっかりはどうにもならないもの。「自分に嘘をついて彼と付き合い続けるよりも、自分の気持ちに正直になった方がいいんじゃないかな」と答えました。
後輩の不倫相手は…
「好きな人を追いかけるなら、今の恋人とは別れてからにしなさい」「同時進行なんて最低なことはしちゃだめよ」と念のため釘を刺すと、「じゃあ今すぐLINEで別れてきます!」と晴れ晴れとした表情でスマホを取り出した後輩。
「あと……」と、私をまっすぐに見据えた後輩。そして、次の瞬間、とんでもないことを言い出したのです。
「先輩も、旦那さんと離婚してください」
おそるおそる話を聞いてみると、後輩が「運命の人」だと感じたのは私の夫。しかも、半年くらい前から良い感じで、夫もどうやら後輩にのめり込んでいる様子。
会社の忘年会に出席した私を迎えに来た夫を見て、後輩は一目惚れしたらしいです。「やさしいし、顔もそこそこ整ってるし」「大企業の中でも若き部長として活躍してるところも素敵ですよね!」とにこにこしながら語る後輩を見て、私はなんだかくらくらしてきました……。
はらわたが煮えくり返る思い
いったん気持ちを落ち着けてから幼なじみに連絡すると、「フラれちゃった……」と一言だけ返ってきました。「安っぽいプレゼントばっかり」「高級ディナーにも連れてってくれない」など、後輩からダメ出しが100個くらい送られてきたそうで、かなりダメージを負っていました。
私は後輩と自分の夫ができていたことを説明。幼なじみは何も知らなかったようで、「えぇっ!?」と驚いていました。別れる原因は後輩の方にあるというのに、幼なじみのせいにして別れるなんて……。
夫も奪われ、幼なじみも傷つけられて、私ははらわたが煮えくり返る思いでした。
略奪女の末路
その日、帰ってきた夫を問いただすと「若い女と付き合って何が悪い」と開き直りました。こりゃ無理だ、とその場で私は離婚を決意。そのままお互い離婚届にサインして、離婚は成立しました。
それから3日後――。
「先輩、離婚してくれて本当にありがとうございました!」「おかげさまで今日彼と無事に入籍することができました!」と後輩から連絡が。さらに、「私、彼との子どもを妊娠してるんで、会社も今月末で辞めますね!」とのこと。どこまで私に迷惑をかければ気が済むのでしょうか……。
念のために「退職するのはいいけど、払うものは払ってよね」と言うと、「昨日振り込んだのでもう反映されてると思いますけど?」「先輩を捨てて私を選んでくれたので、彼の分も私が払っておきました」と後輩。
そういえば、彼女の実家はかなり裕福だと聞いたことがあります。まとまった額をポンと払ってくれるのはありがたいのですが……。
「彼と結婚できるなら慰謝料なんて安いもんよw」
「私たちの幸せのために離婚ありがとうございます♡」
「復讐はこれからだけど」
「は?」
そう、慰謝料だけでは腹の虫がおさまらないと踏んでいた私は、すでにいくつかの計画を実行に移していたのです……!
翌日、慌てた様子の後輩から電話がかかってきました。「彼が、突然転勤になったんですけど!」「先輩の仕業ですか!?」と。
離婚する際、元夫に「離婚届をすぐに書いて出してあげる代わりに、浮気の証拠を見せて」とお願いしていた私。すると、嬉々として元夫は浮気の証拠やデートの日時などを事細かに教えてくれたのです。
私はそれを全部まとめて、元夫の会社に提出。業務中のやりとりもあったため、職務怠慢と見なされることを踏んだうえで出したのです。本当は降格などもっと追い込まれてほしかったのですが、後輩は十分こたえている様子。
「出産も控えてるのにこんな仕打ちをするなんて!」「パパだけ単身赴任なんて、子どもがかわいそうじゃないですか!」と怒る後輩。「あなたがついていけばいいだけでしょうが」と言うと、「東京生まれ東京育ちの私には地方暮らしは無理です!」と後輩。何がしたいのやら、呆れてしまいました……。
さらに2時間後。今度はヒステリックに叫びながら電話をかけてきた後輩。
「里帰り出産するって連絡しようと思ったのに、両親が私からの連絡を無視するんですけど!」「先輩の仕業でしょ!」
後輩の予想通り、こちらも私の仕業です。後輩のご両親は、都内にいくつかマンションを持っている、いわゆる大家さん。一人娘に甘いらしく、略奪婚はしぶしぶ認めたそう。しかし、所有マンションに娘が勝手に入り込み、元夫と遊んでいたのは許せなかったようです。
私は元夫から手に入れた浮気証拠を提示して、「こちらの部屋を貸し出すなら、念入りにハウスクリーニングを入れた方がいいですよ」と助言しただけなのですが。
その後、後輩は幼なじみや元夫と同時進行で他の男性とも遊んでいたことが発覚。元夫が愛想をつかして私に泣きついてきました。生まれた子どもも元夫の子どもではなかったようです。後輩の両親はとにかく甘いようなので、ほとぼりがさめれば後輩を許し、生まれてきた孫をかわいがるのではないでしょうか。子どもに罪はないので、本当の父親と後輩と幸せに暮らせることを願うばかりです。
私はというと、後輩から受け取った慰謝料で幼なじみと海外旅行を計画。せっかくなので一生に一度しかできない豪華な旅行にして楽しんでこようと思っています。
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