スーパーに行った息子が…帰ってこない!
14年前の話です。
その日は私の誕生日。当時4才だった息子が、お手伝いで貯めた小銭を持って「今日はママのお誕生日だから、ママの好きなものを買ってくる!」と、自宅前にあるスーパーへ1人でお買い物へ行きました。そのスーパーは、自宅の目の前にあり、知り合いの店員さんも多かったので、この日は、後ろからついていくこともせずに「何を買ってくるのかな?」「どんなプレゼントかな?」と自宅で待っていました。
しかし、息子が30分経っても、帰ってこないのです。玄関を出て、1分後には店内に入れる距離だし、どこに何があるかについても、息子はだいたいわかっていたので、「こんなに時間がかかるなんて、何かトラブルに巻き込まれたのではないか」と、あわてて私もスーパーへ。
スーパーに行くと、入ってすぐのレジで、息子を見つけました。息子のそばには、レジ店員さんと店長さんがいらしたのですが、困っている様子だったので「すみません!」と私は声をかけました。
すると、レジ店員さんが「お母さん、すみません。こちら、年齢確認が必要な商品でして…」とおっしゃり、見ると、息子の手には缶ビールが! そして、息子は 「お母さんが毎日おいしいって飲んでるから、お誕生日にこれをプレゼントしたいの!」と言うのです。
息子の気持ちはすごーく嬉しかったのですが、同時にすごく恥ずかしくて。すぐにでも息子を連れて帰りたかったのですが、店長さんも、レジ店員さんも顔見知りの方で、「せっかく息子さんが、誕生日プレゼントで買ってくれるというのだから」とニコニコしながら、袋に入れてくれださるので、私はレジで年齢確認ボタンを押し、息子が小銭でお金を支払い、逃げるように帰ってきました。
当時のレジ店員さん、店長さん、ご迷惑をおかけしてすみませんでした! 息子は元気に成長しております!
※結果として微笑ましいお話ではありますが、最近は怖い目にあう恐れもあるので、気を付けましょう。
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作画/加藤みちか
著者:斉藤くるみ
今年で18才になる息子を育てる母。在宅ワーク勤務。保護犬の預かりボランティアをしています。