そんな夫に影響され、息子たちまで「パパに寄生している」「家族の家政婦」などと、言いたい放題。夫は注意もせず一緒に笑っているだけ……。
私なりにいい妻・いい母になろうと頑張ってみたものの、もう限界です。
離婚大歓迎!?
そんなある日、夫が見知らぬ女性を連れて帰ってきました。夫が「こいつが俺にストレスを与えてくる嫁だよ」と私を紹介すると、女性は上から下まで舐めるように私を見るのです。
夫はそんな彼女を横目に「今日は報告があるんだ。彼女が妊娠したから離婚な!」と突然の離婚宣告。
その言葉を聞いて、ショックよりも今の生活から抜け出せる安堵のほうが大きかった私は、すぐに家を出る準備を始めました。
夫の計画
私が黙々と荷物を詰めていると、「お前たちも準備しろ!」と怒鳴る夫の声が聞こえてきました。ジロウが不思議そうに「どこかに行くの?」と聞くと、夫が「ここは俺が新しい家族と住む家だ。お前たちはママと出ていけ!」と言うのです。
てっきり出ていくのは私だけだと思っていたので、これにはビックリ。子どもたちも、突然の出来事に動揺していました。
「そういうわけで、子どもたちはよろしくな!」と夫から言われたので、私はすぐに「無理よ!」と答えました。夫は「子どもは母親が引き取るのが常識だ!」と意味不明な主張をします。
しかし、ママと呼ばれることもなく、日々暴言を吐かれている息子たちを引き取る義理など、私にはありません。実は息子たちは夫と前妻の間にできた子で、結婚以来私に心を開いてくれないままここまできました。
彼女は何も聞かされていなかったようで、この事実に驚いているよう……。夫は「話が違う」と、ご機嫌ナナメになった彼女を必死に説得しています。あまりに滑稽なその姿に、呆れてしまいました。
私の決意
そうこうしているうちに私は荷物をまとめ終え、子どもたちに「じゃあ、元気でね!」と言うと、突然2人が泣き出しました。予想外の展開に、驚きしかありません。
「今までひどいことを言ってごめんなさい! 」「本当は毎日おいしいごはんを作ってくれて、学校の行事にもきてくれて嬉しかった」「パパに捨てられるのが怖くて言いなりになっていた」
口々に言う息子たち。口から出まかせか本心か、何年も一緒に暮らしているのでそれくらいはわかります。私は無意識のうちに「悪いのは子どもたちにそんな思いをさせたバカ男だね。一緒に暮らそうか」と言っていたのです。
唯一夫に感謝できること
母子3人の生活を始めてから、息子たちは元の反抗的な態度がウソのように素直な子になりました。家事はしっかりと分担してくれ、シングルマザーとしての生活もとても助けられています。
一時は悩みのタネでしかなかった息子たち。今ではなくてはならない存在です。夫との結婚は人生の汚点ですが、息子たちの母になれたことには感謝しています。
息子たちを社会に送り出すまで、母として頑張りたいと思います。
子どもは大人が思っている以上に繊細で、まわりの様子をうかがっているものです。子どもを持つということは、ただ衣食住のお世話をして終わりではなく、心も健やかに成長していけるような環境作りが大切ですね。