声をかけてきた高齢女性
一番下の1歳の子を抱っこひもに入れ、あとの2人と手をつないで電車に乗った私。1歳の子がぐずるだけでも大変なのに、上の子どもたちも「トイレに行きたい」「のどが渇いた」などと騒ぎ、いつも以上に手がかかりました。まだまだ先は長いというのに、私はもうへとへと。
そしてとどめを刺すかのように、ハプニングが私を襲ったのです……。
「ぼたぼたぼたぼた……」
なんだか近くですごい量の水が落ちる音が。遅れて、私のおなかのあたりがじんわりとあたたかくなってきました。
1歳の子のおしっこがおむつから漏れてしまったのです!
早く拭かないと!と思いながらも、あまりの出来事に、周りの人に申し訳ないやら、恥ずかしいやらで私は一瞬動けずにいました。すると隣にいた高齢の女性が「ちょっとあなた……」と声をかけてくれました。
そして「大丈夫?」と言って、ティッシュで床を拭いてくれたのです。ほかにも自分のハンカチを差し出してくれたりする方もいて、周囲の方たちが助けてくれました。
あのとき居合わせた方々には感謝してもしきれません。とんだハプニングに見舞われましたが、人のあたたかさを感じられた帰省となりました。今後はおむつ漏れ対策をもっとしっかりしようと思います。
イラスト/海乃けだま
著者:栗本みずき
1歳、4歳、7歳のこどもを育てる母親。医療機関に勤務。趣味はエレクトーン。