まぶたが下がるだけでうつになる?
原因はおでこの筋肉
眼瞼下垂とは、まぶたが垂れ下がる病気のことです。先天的にまぶたが下がっている人もいますが、多くは加齢や目の筋肉の衰えが原因なのだそう。
「眼瞼下垂は50〜60歳くらいに多い病気です。若いうちは目の筋肉がしっかりしているのですが、その筋肉が衰えてくる40代くらいから徐々にまぶたが下がってきてしまいます。
まぶたが下がってくると、まぶたが目に覆いかぶさって物が見えにくくなります。放置しているとさらにまぶたが下がってしまい、視野が狭まって日常生活に支障を来すこともあります」(田辺先生)
他にはどのような症状がありますか?
「目の筋肉の衰えでまぶたが下がると、今度は前頭筋というおでこの筋肉を使ってまぶたを上げようとします。すると、前頭筋がずっと緊張した状態になってしまいます。
前頭筋が緊張し続けると、交感神経が優位になってしまい自律神経のバランスが崩れてしまうといわれています。そうすると自律神経失調症やうつのような症状など精神的にも影響が出てきてしまいます。
また、肩凝りや頭痛といった症状も引き起こすことがあります」(田辺先生)
ふとした行動が原因!?
目をこするのはNG!
眼瞼下垂の原因は、まぶたを持ち上げる眼瞼挙筋(がんけんきょきん)と瞼板(けんばん)に大きく関係しています。
眼瞼挙筋の筋力が衰えたり、眼瞼挙筋と瞼板の付着が弱まることでまぶたが垂れ下がってしまいます。中には眼瞼挙筋に穴が空いたりすることもあるそうです。
「普段からハードコンタクトレンズを使用している方は要注意ですね。ハードコンタクトレンズは硬いので、眼瞼挙筋と瞼板を物理的に刺激してしまいます。それに、外すときにまぶたを引っ張ってしまうこともあるのでそれも良くありません。
ソフトコンタクトレンズは柔らかいのでハードコンタクトレンズよりも眼瞼下垂のリスクは下がります。
他にも目をこすってしまうことも、眼瞼挙筋などの劣化を早めてしまうことにつながりますのであまり良くないです。
女性はメイクをしている方がほとんどだと思います。目の周りのメイクを落とすときはこすらないよう気をつけたほうがいいですね」(田辺先生)
眼瞼下垂の原因は筋肉だけなのでしょうか?
「筋肉以外にも動眼神経という神経が影響していることもあります。眼瞼挙筋は動眼神経とつながっているので、糖尿病や動脈瘤などで動眼神経が悪くなってしまうと眼瞼下垂になってしまうことがります」(田辺先生)
偽眼瞼下垂に要注意!
加齢による皮膚のたるみ
眼瞼下垂と見た目はまったく同じであるという偽眼瞼下垂(ぎがんけんかすい)。偽眼瞼下垂は眼瞼挙筋や瞼板に異常はありませんが、加齢による皮膚や眉の垂れ下がりによって視界に影響を及ぼすそうです。
「偽眼瞼下垂はただ皮膚がたるんでいるだけなので、筋肉などは衰えていないです。
ですが、眼瞼下垂と偽眼瞼下垂の両方を患っているということもあります。眼瞼挙筋が衰えてまぶたが上がらないし、皮膚も垂れ下がってしまっている、という人は実は結構多くいらっしゃいます」(田辺先生)
眼瞼下垂と偽眼瞼下垂の見分け方はありますか?
「MRDという基準があり、角膜に光を当ててまぶたの縁から角膜の中心までが3mm以下だったら眼瞼下垂だと診断しています。
あとは前頭筋を使っているかどうかが見分けるポイントになります。前頭筋を使っていれば眼瞼挙筋などが悪くなってしまっている可能性があります」(田辺先生)
物を見るときに前頭筋を使っているかどうかを簡単にチェックできる方法があるとのこと!
①目を軽く閉じ、顔を正面に向ける
②眉の上を指で軽く押さえる
③そのままの状態で目を開ける
このとき、おでこに力が入ったり目が開きにくかったりする場合は眼瞼下垂の可能性があるそうです。
眼瞼下垂の治療は、薬や注射での治療はできず手術になってしまうそう。
「眼瞼下垂の治療として、眼瞼挙筋の強化や瞼板との付着を修復したりします。これ以外にも眉とまぶたの間に人工のひもや自身の筋膜を入れてまぶたをつり上げることもあります。
偽眼瞼下垂の場合は、たるんでいる皮膚を切り取るということもしています。眼瞼下垂と偽眼瞼下垂を併発しているときは、同時に手術をしたりします」(田辺先生)
眼瞼下垂は必ず手術しなければならないのでしょうか?
「手術しなければ治りませんが、しないという方ももちろんいます。見栄えや物の見え方を気にしないのであれば手術は必要ありません。
ただ、下のほうは見えるけれど上のほうは見えにくいなど不便を感じることはあるでしょうね。
費用は大体片目で2万円くらいです。入院の必要もなく、術後の日常生活への影響もさほどないのでまぶたの下がり具合が気になるという方は手術を考えてみてもいいかもしれません」(田辺先生)
まとめ
田辺先生によると眼瞼下垂で眼科を受診するのは女性のほうが多いそう。見た目だけではなく、心身にも影響を及ぼしてしまう眼瞼下垂。まぶたがたるんできたと思う方は眼科を受診してみてはいかがでしょうか?
※記事の内容は公開当時の情報であり、現在と異なる場合があります。
※本記事の内容は、必ずしもすべての状況にあてはまるとは限りません。必要に応じて医師や専門家に相談するなど、ご自身の責任と判断によって適切なご対応をお願いいたします。
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