一緒に暮らし始めてわかったのは、姪が超がつくほどのわがままだということ。自分を中心に世界が回っていないと気が済まないタイプです。
しかしこれは、母親を亡くした反動かもしれません……。そう考えた私は、長い目で見守ることにしました。
トンデモ娘は変わらない
しかし数年経っても姪の性格は変わりません。思い返すと亡くなった妹にそっくりです。
祖父である父にお金をせびるところは妹そのもの。父は妹に甘く、そのせいでわがままに育ったのですが、姪に対しても同じ……。これでは当時の二の舞です。
姪を改心させられないまま、私は仕事・家事・子育てに奔走し、あっという間に20年が経っていました。
姪は進学も就職もせず、ネット上で出会った男性の家に転がり込んでは戻ってくる、そんな日々の繰り返し。顔がかわいく人懐こいのですぐに新しい彼氏ができるものの、本性がバレた途端に追い出されてしまうのです。
姪ももう立派な大人。私は、ひとりで生きていくことの大変さを学ばせるためにも、絶縁したほうがいいのではないかと始めていました。
しかし、ただ絶縁したら他人様に迷惑をかけるだけ……。そう考えると行動に移せずにいたのです。
結婚の挨拶だと思いきや…
ある日突然、姪の結婚が決まりました。家に連れてきたのは、お世辞にも“素敵な人”とは言えない男性です。
さらに驚いたことに、姪が彼を連れてやってきたのは結婚の挨拶ではありませんでした。結婚を機に私と縁を切るという「絶縁宣言」だったのです。
たとえ義理でも貧乏人と家族だなんて絶対に嫌なのだそう。ニセモノの母親は結婚式に来るなと言われてしまいました。本物の親子ではないけれど、20年一緒に暮らした家族です。こんな仕打ちを受けるなんて思ってもみませんでした。
しかし絶縁しようと思っていたのは私も同じ。私は姪の申し出を受け入れることにしました。ただし、ひとつだけ、最後に母親として社会の厳しさを教えておかねばなりません。
最後の大事件!
婚前旅行に出かけた2人は、携帯電話を切っていました。楽しい旅行を邪魔されないようにするために、姪が命令したのです。しかし、これが大事件の発端に……。
挙式当日に現れた2人は、思いもしないセリフを式場関係者から聞くことになりました。料金未払いのため、式はキャンセルされましたと……。
支払い期日までに振り込みがなかったら、キャンセルされるのは当たり前。そして、式場担当者は何度も電話をくれたのに、電源を切っていたのも姪たちです。
不運が重なった結果
ここまで大事になるとは思っていませんでしたが、未払いが発生したのは、私の作戦です。
収入がない姪が使っていたクレジットカードは、私の家族カード。引き落とし先は私の口座でした。これまで容認していたのですが、縁を切るなら話は別です。
私は口座に入っていたお金をすべて別の口座に移動。残高0になった口座からはお金が引き落とされず、ついに姪のカードが止められたのです。
ここからは姪の不運。ボーナス払いに設定していたであろう結婚式代の引き落としが発生したのは、カードが止められたすぐ後。姪は問題なくカード払いできたと思い込んでいたのでした。
招待客を返すことになり、婚約者は「恥をかかされた」と激怒! 結婚は白紙になってしまいました。姪が泣きついてきたのは想像の通り。しかし縁を切っているので、もう面倒はみません。これからは自分の力で生きてほしいと思います。
恩を仇で返すとは、まさにこのこと。子どもを一人前に育て上げるには、お金も体力も必要です。
今からでも遅くはありません。ありがたみを再確認し、親代わりになってくれた感謝を伝えられるといいですね