夫の心無い嫌み…
1人目の子どもを妊娠中、つわりや貧血症状がひどく、とてもしんどくて日中横になることが多い時期がありました。つわりのせいで床の臭いがダメで、床に寝転がることができず昼間でも布団を敷いて寝ていたのですが……。夫は当時、寝ている私を見るとよく「風邪でもないのにわざわざ布団敷いてる」「つわりを理由にすれば寝てられるからいいよね」など、皮肉めいた言葉をかけてきました。しかしこのときは反論する元気もなかったので「そうだね」などと返すしかなく……。
やがて妊娠後期になったころ、妊娠高血圧症候群になってしまい入院することに。体を動かす仕事をしていたため、妊娠後期ということもあり、そのまま退職することにします。そのことを夫に伝えるとき、「退職することにした。男の人は妊娠しないからつわりもないし、私みたいに妊娠高血圧症候群になって入院することもないし、仕事を辞める必要もなくていいよね」と、これまでの皮肉を返す気持ちで言いました。言い返してくるかと思いましたが、夫からは「確かに……」と納得したような返事が。
1人目の子どもが3歳のころ、別の会社でパートをしていた私は、2人目の妊娠がわかったときに退職することに。そのことを夫に伝えると、以前とは打って変わって、「女の人は妊娠すると生活が変わるから大変だね」と大変さに理解を示すような言葉をかけてくれたのです。また、つわりがひどく布団で寝ていても夫から皮肉めいたことは言われず、「床の臭いは大丈夫?」など気にかけてくれました。
皮肉のつもりでしたが、自分の大変さを具体的に伝えたことで理解を得られたのかもしれません。きちんと言葉にして不満を伝えれば理解を示してくれて、気づかいもしてもらえるのだと気づいた出来事です。
作画/森田家
著者:高野 初奈
5歳と11歳の息子を育てる、結婚12年目を迎えた母。映画鑑賞にはまっている。