「息子が食べたいって言ったからだけど……?」と返すと、「外で働いて稼いでる旦那様より、子どもを優先するのか!」とすぐさま返信が来ました。いい成人男性が、どうしてお弁当のおかずごときで子どもに張り合うだなんて、呆れてしまいます……。
夫のわがまま
2人目の育休に入ってからというもの、こんな調子で夫のわがままを聞かせられる毎日を送っている私。あと1カ月で復職できる、ということだけが支えになっていました。
「お前は妻として、夫への愛情がなさすぎる!」
「俺の言うことを聞かないなら、離婚届を本当に出しちまうぞ!」
私は深くため息をつきました。夫は自分の思い通りにならないと、こうして離婚を脅しに使ってくるのです。最近では子どもたちの前でも構わず離婚届を出してくるようになってしまいました。「愛してやってる」という言葉も引っ掛かります。
「反省してないなら離婚だ!」
しばらくして――。
「そろそろ反省したか?」とまた夫からのメッセージが。
反省すること……夫がこうなるまで放っておいたことくらいしか思い当たりません。夫のわがままをすべて叶えるには、超能力者にでもなるしかないのです。
「俺はお前と結婚してやったし、愛してやってるから俺の金で養ってやってるんだ」
「俺のことを常に想い続けていれば、俺の求めることくらいわかるだろ?」
「反省してないなら離婚だ」
少しの言い合いでも、ほぼ必ず離婚届を叩きつけてくる夫。ただでさえ家事と育児のワンオペで疲れ切っている私には、相当こたえるものでした。
「俺の願いを叶えることすらできないダメ嫁が!」
「さっさと離婚届出してこい!できるもんならなw」
「はーい、出してきまーす」
「え?」
実は、記入済みの離婚届を持ち、役所の目の前に佇んでいた私。
先ほど、お弁当のおかずの件で夫からわがままを言われたときに、私の中で何かがプツンと切れる音がしたのです。食材の買い出しのためにでかけたのですが、なぜか記入済みの離婚届を持ち、役所の向かいにあるスーパーの方へ歩いていました。
「私はあなたのことを気遣えない、察せないダメな嫁だから、こうして何度も離婚届を叩きつけてきたんでしょう?」「私の気持ちもやっと固まったし、提出してくるね!」と送ると、「い、いや、俺は本気で離婚するつもりでサインしたわけじゃなくて……」「とりあえず、落ち着け、離婚届は出すな!」と夫。
その返信を無視して、私はしかるべきところに離婚届を提出しました。そして、「無事受理されました!」「これで私たちは他人になりました!」「離婚おめでとう!今までありがとう!」と夫にメッセージを送りました。
勘違い夫の末路
その後――。
養育費の話し合いなどのたびに、「戻ってきてくれ」と復縁要請をしてくる元夫。私がいなくなって、家事が滞り、生活がままならないそうです。しかし、私は夫の家政婦に戻るつもりはないため、拒否を続けています。
現在、私は復職して、仕事をしながら家事・育児をひとりでこなしています。些細な言い合いでも離婚届を持ち出してくる元夫に、子どもたちもストレスを感じていたのでしょうか、離婚してから子どもたちの笑顔が増えたように思います。「自分を最優先しろ」とわがままをいう元夫がいなくなったので、その分子どもたちと過ごす時間が増えて幸せです。