こんにちは。助産院ばぶばぶ院長HISAKOです。ママが風邪を引いたときは、授乳はできるのでしょうか?今日は、母乳の免疫力についてお話しします。
母乳を通して風邪はうつる?
風邪を引いたママが授乳をしても、赤ちゃんに風邪がうつることはありません。母体内ではウイルスに対する抗体がつくられ、母乳中に移行します。
なので、授乳を続ければ、風邪の抗体を母乳を介して与えることができるので、赤ちゃんは予防接種をしたのと同じ効果が得られます。ママがインフルエンザに感染したときも、しっかり授乳することで赤ちゃんに抗体を分けてあげることができるのです。
※ただし、ママが薬を服用しているときには、医師に授乳をしても可能か確認をしてください
母乳が赤ちゃんの病気の重症化を防ぐ?
赤ちゃんが風邪をひいた場合にも、ママの体内ではスゴイことが起こります。母乳中に赤ちゃんがかかった風邪のウイルスに対する抗体が出てくるという報告があるんです。
赤ちゃんの体は、すべてが未熟で免疫力も弱いので、ただの風邪でもあっという間に悪化して気管支炎や肺炎を起こすことがありますが、完全母乳ではなくても、細々と母乳を続けている赤ちゃんは、ミルクだけの赤ちゃんに比べて気管支炎や肺炎を起こす頻度が低いというデータも存在します。母乳が病気の進行を食い止めるのですね。
母乳が持つ免疫力とは?
母乳には、リンパ球などの白血球が多数含まれていて殺菌力があります。母乳育児は、赤ちゃんの風邪の治療にも一役買っているのです。とはいえ、母乳には地球上のすべての病気に対抗する免疫物質が含まれているわけではありません。ママが風邪を引いたということは、その風邪に対する抗体をママ自身がまだ持っていないということを意味します。
母乳の持つ免疫は、あくまでママがかかったことのあるウイルスに対してだけなので、生後半年未満の赤ちゃんも、もちろんママがかかったことのないウイルスに対してはその抗体を持っていないので風邪を引くことがある、ということです。
栄養&免疫たっぷりの母乳
1歳児が飲む母乳のカロリーはだいたい牛乳と同じです。ほかの栄養素も、生後3カ月の子が飲む母乳と大差はありません。母乳は、ママの血液の加工品なのですから、産後1年たっても栄養がなくなるはずはありませんね。免疫物質など、むしろ増加することがわかっています。
飛沫による場合や手にくっついてきたウイルスには赤ちゃんも感染しますので、寒い時期は手洗いはしっかりと。そしてたくさん授乳をしてくださいね。
総合病院小児科・産婦人科・NICU病棟勤務を経て、地域での助産師活動・出張専門『助産院ばぶばぶ』を開業。2006年には来院ケアも可能な「助産院ばぶばぶ」をオープン。2014年10人目出産し、ママたちに元気と勇気をおすそ分けすべく母乳育児支援や講演活動、書籍出版など多岐にわたって活動中。
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