「離婚届にしかサインしない」「慰謝料の支払いには応じない」と言う夫。離婚の話し合いが長くなると、元親友と結婚するまでの期間が延びてしまうということが理由だそうです。
離婚は決定事項
浮気しておいて、自分勝手な理由で財産分与も慰謝料の支払いもしないという夫に、私はすっかり呆れてしまいました。夫の家族を同席させて慰謝料と財産分与についての話し合いをすること、これに同意してくれればすぐさま離婚することを条件にしたところ、夫は「それでいい」とようやくうなずいてくれました。
そして、私たちはその日のうちに離婚届にサインをし、提出。赤の他人となったのです。
夢のマイホーム…
翌日――。
「離婚してくれてありがとう!」と元親友から電話がかかってきました。「ちょっと先になるけど、結婚式にも招待するね!」と、聞いてもいないのに語り始めました。
「新築一軒家も建てる予定なのよ」「早速、この後住宅展示場に行くの!」「ローン組めば、今の家賃にちょっと上乗せするだけで庭付きの一軒家に住めるなんて最高よね!」
私は思わず、「ちょ、ちょっと待って、誰がローンを組むの?」と聞いてしまいました。すると、「彼に決まってるじゃない!」と元親友。
「彼のローンで、最高の新築一軒家を建てるからw」
「完成したら元嫁のアンタも招待してあげるからねww」
「無職の男が家を建てるの?」
「え?」
「いやいや、何を馬鹿なこと言ってるの?」と元親友。しかし、元夫は無職でしかも借金持ちなのです。
元夫の借金については、私もつい最近知りました。元夫は元義両親の会社で働いていました。しかし、会社の経営は苦しく、元義両親は元夫名義で2000万円ほどの借金をしていたのです。しかし、それでも足りず、会社は倒産。元義両親も元夫も無職になり、残ったのは借金だけだったのです。
「でも、そしたら自己破産して借金をチャラにしちゃえばいいじゃない!」と元親友。たしかに借金はなくなりますが、新築一軒家は当面ローンが組めなくなるので現金一括払いで購入するしかありません。
略奪婚の末路
その後――。
事情を知った元親友と元夫の仲はこじれにこじれてしまったようです。一方、私は慰謝料や財産分与のために、元夫の姉に連絡を取りました。実は元義姉は弁護士。元義両親や元夫との折り合いが悪く、縁を切って遠くで暮らしていたのです。しかし、元夫の家族であることに違いはありません。
元夫は元義姉が大の苦手。元義姉の活躍により、私は元夫と元親友の両方に慰謝料を請求することができました。今度元義姉と祝杯をあげる予定です。