辞令は突然に!?
夫から電話で告げられたのは、まさかのアメリカ転勤が決まったということでした……。転勤は長女の出産予定日の1カ月後と、あまりのタイミングの悪さに私は呆然としつつ、ひとまず日本の家族にアメリカ転勤が決まったことを報告。
今後のことはイギリスに戻ってから決めると伝えて、一時帰国を終えた私たちはイギリスへ。夫婦でするべきことをリストアップしましたが、一番の課題は長女の出産をどうするかでした。
母に渡米を反対されて…
典型的な長女気質の私は、誰かに頼ることが苦手。私は当初、予定通りイギリスで長女を出産、夫だけ辞令通り渡米し、私と長男はイギリスに残り、長女が生後3カ月になるのを待って渡米するつもりでした。
しかし、日本の実家に報告したところ、母は大反対。「出産は何があるかわからないよ。何も心配しなくていいから日本で産みなさい。長男くんの相手も必要だよ」と里帰り出産を強くすすめてくれました。
土壇場での帰国と転院
私は長男のことも気づかってくれた母の言葉に心を動かされ、日本で出産することを決意。
母はすぐに最寄りの総合病院に掛け合ってくれ、私も病院に電話をして今回の事情や妊娠の経過を説明すると、幸運にも出産予定日2カ月前に転院可能であれば受け入れてくれることに。
すでに出産予定日3カ月前だった私は急いでイギリスでの手続きを終え、長男と日本へ帰国し、転院先で長女を出産できたのです。
最悪のタイミングだった夫の転勤を、当初は自力で乗り切ろうとした私。しかし、出産直後から長男のケアをしつつ、新生児の世話や家事をひとりでこなすことは、実際のところ難しかったと思います。
その後、無事に生後3カ月になった長女と、精神的に不安定になることもなく元気に日本の生活を楽しんだ長男を連れて渡米できたのは、里帰り出産をためらいなくすすめてくれた母のおかげと、心から感謝しています。
※本記事の内容は、必ずしもすべての状況にあてはまるとは限りません。必要に応じて医師や専門家に相談するなど、ご自身の責任と判断によって適切なご対応をお願いいたします。
イラスト/ななぎ
著者:濱田よし
2014年イギリス生まれの長男、2018年日本生まれの長女と2021年アメリカ生まれの次女、夫の5人家族。夫の海外転勤による約10年の海外生活を経て日本に帰国。