思いもよらなかった言葉
当日、「話して何になるの」と行き渋る長男を連れて予約の時間に小児科へ行くと、通常の診察室とは離れた別室へ案内されました。室内には発達についての専門書が並んでおり、「やはり長男には障害があるのかも」と不安になる私と、不機嫌な長男を見て、「今日は来てくれてありがとう」と、私と長男に順番に握手してくれた先生。
世間話から、日常の様子、普段困っていることなどを洗いざらい話していくうちに、私も長男もだんだん目が潤んできてしまいました。ついに親子で涙を流してしまった私たちを見た先生が「特性に名前がついたとしても、個人で違うから、その子の個性とどう向き合っていくかが大事なのよ」とひとこと。
さらに先生は「実は私の息子もこだわりが強くて個性的な子でね」とご自身の息子さんのこと、個性を尊重しながら息子さんを育ててきた経験について話してくれました。
わが家の長男については発達障害の傾向が強いという判断は下りましたが、具体的な診断に関するテストなどはまだおこなっていないので、現在の診断ではいわゆるグレーゾーンのよう。グレーゾーンですが、「個性」と言ってもらえてうれしかったです。
ご自身の経験や専門知識をお持ちの先生が「個性」と言い切ってくれたおかげで、前向きに通院できるようになった私と長男。今後は放課後などにデイサービスの利用を始めながら、気持ちを落ち着かせる薬で様子をみていくとのことでした。まだ通院を始めたばかりなので具体的に改善した点は少ないですが、困ったときに相談できる人がいる心強さを手に入れることができました。今は受診を迷っていた私の背中を押してくれたスクールカウンセラーさんに感謝しています。
※本記事の内容は、必ずしもすべての状況にあてはまるとは限りません。必要に応じて医師や専門家に相談するなど、ご自身の責任と判断によって適切なご対応をお願いいたします。
著者:安藤 はるか
2014年生まれ、2017年生まれの男の子と2021年生まれの女の子のママ。カラーセラピストとしてお悩み相談のサービスを運用中。