部下がマイホームを建てると聞いて、突然家がほしいと言い出した夫。まだ予定にはありませんでしたが、いい機会だと思い、建売を探すことに。しかし、夫に貯金はなく、結局私の独身時代の貯蓄を崩して、購入することになりました。
はじめは超乗り気で、全部自分でやるような素振りを見せていた夫ですが、家探しも手続きも、引っ越しもすべて私任せになりました。
それだけならまだしも、夫は衝動的な性格が災いして、意見がコロコロ変わるのです。何度も不動産屋さんを困らせ、本当にご迷惑をかけました。
引越し作業も、結局は私が彼の分もやりました。上司から誘われたとはいえ、引っ越し前日に飲み会だなんて信じられません。本当に厄介ごとばかりが続きましたが、なんとか引っ越しも済ませることができ、一安心していました。
見えっ張りで、安直な夫は…
今回、私たちはお互いに居室を持つことにしました。夫は趣味のプラモデルを飾る部屋、私は仕事部屋です。こんなに大きな買い物をしたので、これからますますたくさん稼がないといけません。
しかし夫は、私が居室を持つことに納得していませんでした。趣味の部屋は良くて、仕事部屋はダメだなんて……。最終的には私の希望も通りましたが、夫のあまりにも不公平な考え方を知り、腹が立ちました。
無事引っ越しが終わり、ホッとしたのもつかの間、今度はダンボールが大量に届く珍事が発生。びっくりして、夫に尋ねると……。
「妹がうちに住むことになった」
「お前の部屋を空けろよ」
婚約が決まっていた義妹が婚約破棄され、夫はかわいそうだからうちに住まわせてやると言ったそうなのです。私の仕事部屋は必要不可欠ですし、もちろん同居の件は反対しました。しかし夫はまったく聞き耳を持たず……。
「家は俺の名義なんだから文句はないよな?」
「この家に誰が住むかは、家の持ち主である俺が決める」と息巻く夫。
でも、それは夫の勘違いでした。
「いや、私の家なんだけど」
夫は、夫婦が家を購入したならば、単純に夫が名義人になると思っていたらしいのです。世帯主=名義人、そんな馬鹿な話がありますか。私の独身時代の貯蓄で購入した家。もちろん私は自分を名義人にしていました。
甘えるのも大概にして!
名義人を自分だと勘違いしていた夫は「住む人間は家の名義人が決められる」と言い出しました。呆れて言葉も出ない私。夫がそう言うのですから、名義人である私は住む人間を決めることにしました。
結論、私は夫と義妹は追い出すことにしたのです。鍵も取り替え、家に入れないようにしました。義妹と2人で野宿なんてできないと言う夫に、当分はホテルにでも泊まればいいと提案すると、妹の宿泊費用まで支払えないとゴネ始め……。あれだけ妹の面倒を見るとえらそうにしていたのに、おかしな話です。きっと何から何まで私に甘えるつもりだったのでしょう。私は夫にとって都合の良い存在、ただそれだけだったのです。
住むところにも困った夫は義妹の同居話を白紙にしましたが、私は彼を許すつもりはありませんでした。許すどころか逆に離婚を要求し、夫の荷物はさっさと外へ運び出しました。
離婚するなら共有財産などの話し合いをしようと言ってきましたが、結婚してからためたお金はほとんどありません。衝動的な性格の夫は、無駄使いの達人ですから。離婚したらほぼ一文無しになると知った夫は、これからどうやって生きていけばいいのだとパニックになっていました。
こうなって初めて、夫は自分が私に依存しきっていたことを痛感したようです。夫は私にとって今まで本当に、目の上のたんこぶでした。無駄使いはするし、面倒ごとはいつも私に押し付けるし……。でも、夫婦だから支えていかなきゃと思っていたのです。しかし、夫と一緒にいるデメリットがメリットをはるかに上回っていることを自覚し、もうこんな生活は終わりにしようと思ったのでした。
ただでは転ばない私
離婚後、夫はかなり苦労していると風の噂で聞きました。それは、どうやら義妹が原因だそう。義妹はずっと無職で遊び歩いていた人で、義両親からこれまでもあきれられており、今回のことがきっかけとなって、ついに勘当されたそうです。これを機にさらに義妹は夫への寄生がひどくなり、夫はひどく苦労しているようでした。
一方私は嫌な思い出が詰まった家には住めなくなり、人に貸すことにしました。しかしこれが不動産投資に目覚めるきっかけになり、今では数々の投資で副収入を得ています。今回の件は最悪の出来事になりましたが、私はただでは転ばないのです。
夫の見栄のせいで、家を追い出されそうになった妻。義妹を想って家に泊めてあげようとするのはいいと思いますが、義妹を泊めるために妻を追い出すのは、話が変わってきますよね。夫にはまず考え方から直してもらい、今回のこと含め以前の自分の行動も反省してほしいですね。