消えた息子…
ある日の事、その日はショッピングモールに行こうかと息子と話していました。すると息子は子どもの遊び場で遊ぶのを楽しみにしているようでした。
しかしその後、私に急用が入ってしまい行くことができなくなってしまいました。そのことを伝えると、最初は怒っていたものの、急に静かになり隣の部屋へ行ってしまった息子。
その後、その用事を終えて、ふと気になって隣の部屋を見ると息子がいません。家中探したけれどどこにもおらず、息子がお気に入りの子ども用キャリーバックがないことに気が付きました。
「まさか……」と思って玄関を見たら靴も見当たりません。家の周りを探しても気配はなく……。夫にも連絡して仕事を早退して帰宅してもらいました。しかし、一緒に近所を探しても見つからず、私は目を離していた時間を心の底から後悔しました。そして「もしかしたら行こうと言っていたショッピングモールにいるのでは」と思って行くと……。
なんと息子がいたのです!
傍らにキャリーバックを置いて子どもの遊び場で黙々と遊んでる息子が。ホッと安心して涙がでそうでした。ただ、ショッピングモールまでは結構な距離。歩いて行ったこともないはずなのにどうやって行ったのかとその行動力に驚くばかりでした。
あまり一人でいることを怖がらない子なのでどこでも行ってしまうタイプですが、さすがに家から一人で出たことはなかったので、今回ばかりはかなり焦りました。どうして一人で行ったのかと聞いたら「今日は行く約束したでしょう。先に来ただけだよ」とまるで当たり前のように言う息子。子どもから目を離さないのはもちろん、お出かけの約束は慎重にしようと心に誓いました。
著者:佐藤麻子
中学生と10歳の2人の子を育てている専業主婦。趣味は掃除で隅々まできれいにすること。