ある日私から里帰り出産をすると聞いた義母は、猛抗議をしてきました。「私がいるのになぜ帰るのか」と言うのです。
義母はいつも、自分の欲求ばかり。「今回は出産に立ち会いたかった」「私が1番に孫を抱きたかった」「新生児のお世話がしたかった……」と。でも話の最後には、機嫌を直していました。将来的に私たちと同居するのは、自分たち義父母だと思い出したからです。
義母は同居について舞い上がっていましたが、私たちは「双方の家族とは住まない」と決めていました。それは義父もそれは了承済み。それなのに、なぜ義母だけは同居について言い続けていました。
義母の猛攻撃
義母は、連日わが家に押しかけてきました。口では「寝ていていいわよ」と言いながら、ちっとも休ませてくれず。それどころか、私が動くハメになることもありました。
これでは逆に体調が悪くなってしまうと思った私たち夫婦は、夫を通して、義母にしばらく家に来ないでほしいと伝えました。結果、義母から私が猛抗議を受けることになり……。
義母の話は同居のことまで発展し、私が夫に同居しないと言わせていると嫌味まで言ってきたのです。「最低!」「傷ついた」「ここ数年で1番ショックだった」 とまで言われ、おしまいには「裏切りだ」 とののしられることにもなりました。
誰とも同居しないと夫婦で決めている、そういくら伝えても「同居は絶対にする!」 の一点張り。同居をしなければ離婚してもらうとまで言われました。
話が堂々巡りになるので、最終的には居留守を決め込んだ私です。なんとかそれで乗り切って、ついに里帰りの時期を迎えることができました。
ひどい仕打ちだったけれど…
里帰り中だったある日、大事な話があると連絡してきた義母。ひとしきり私が居留守をしていた件の文句を言った後、同居問題の解決を宣言してきました。
「あなたの帰省中に家は売ったから」
「帰ってくる場所はないのよ」
同居をしない嫁は嫁じゃないから追い出そう。そう言って、義父と夫を説得したそうなのです。その結果、家を売ることに決まったと。すでに買い手がついたと、義母は喜んでいました。そして、離婚したくなければ土下座して謝るように言われたのです。
「やだぁ〜お義母さん」
「売れたのはそちらの家ですよ」
じつは、その件について夫からすでに報告を受けていました。義母の暴走を止めるため、義父が義実家の売却を決めたのです。今後は、義父の地元に戻って暮らすと聞いています。前々から地元に戻りたかった義父は、とても喜んでいるようでした。
義母は私が話した真実を信じようとはせず、もし本当ならあんな田舎には絶対住めないと言い出しました。自分に知らせないで家を売るなんておかしいと義母は言っていましたが、私の知らないうちに私の家を売ろうとしたのはどこの誰でしょう。
それは、あなたのせいです!
その後、再度義母は私に連絡をしてきました。引っ越しを反対したら、義父から離婚を宣言されたそうなのです。そんなのはひどいと言っていますが、そもそもこんな話になったのは義母の暴走が原因。自分が悪いとちっとも思わない義母にあきれ、この際なので私たち夫婦が絶縁を考えていることを伝えました。
ようやく初めて焦りを感じた義母は、言い訳をしてきました。しかしこれまでの義母の振る舞いは傍若無人で、信用を失うものばかり。縁を切られてもおかしくないもの。
実は、前々から義父から義母の強引さに嫌気がさしていたと聞いていました。夫は今回義母が私にすごく迷惑をかけたため強烈に怒っています。孫にも会わせたくないと言うくらいに……。
「みんな自分勝手で、自分の気持ちなんて全然考えてくれない」と不満をぶちまいていた義母。しかし、それが義母自身今まで周りにしてきたことなのです。現に今だって、数日前に出産を終えた妊婦に助けを求めるなんて、全然私の気持ちを考えてくれていない証拠ですよね。
結局、義母は義父とともに田舎へ移住。最近はおとなしく暮らしているそうです。そして、私は無事出産。大変ですが、楽しい毎日を過ごしています。
結婚して、パートナーの親とも家族になったとしても、自分の意見を押し付けていいというわけではありません。相手の気持ちを考えて、お互いが心地よい関係でいられるように、思いやりをもって接していきたいですよね。