誰も祝ってくれない
切迫早産で入院し、妊娠7カ月で出産した私。しかし、病院のスタッフや母を含めた身内、親族など、誰ひとりとして「おめでとう」と言ってくれる人がいなかったのです。しかもそれだけではなく、「早く生まれちゃったんだ?」「もう少しおなかにいればよかったのに、残念ねぇ」など、ネガティブな言葉の数々。確かに早かったとはいえ、赤ちゃんが生まれたことには変わりないのに、誰からも祝福の言葉をかけられずとても悲しい気持ちになりました。
後日、「誰もおめでとうと言ってくれなくて悲しかった」と母や夫に伝えたら、本当に申しわけないと言って謝ってくれて、「おめでとう」と言ってもらえました。早く生まれてきたことばかりに気がいってしまっていただけで、祝福する気持ちが全くなかったとは思っていませんが、もっと私の気持ちに対して配慮してほしかったのが本音です。この一件で、自分の言葉で相手が傷つかないか考えてから話すことが大切だと実感。私自身も気をつけていこうと思うきっかけとなった出来事です。
※NICU…「Neonatal Intensive Care Unit:新生児集中治療管理室」早産児や低出生体重児などハイリスクな赤ちゃんの治療やケアをする集中治療室
作画/森田家
著者:藤原 真理子
在宅ワークをしながら、13歳と11歳の兄妹を育てる母。趣味はドラマや邦画、アニメを見ること。