「浮気相手のことを聞かなければ、慰謝料を相場の2倍払う」と提案してきた夫。もちろん、私はそれに乗りました。
そこへ、突然連絡をよこしてきた同級生。「この間の同窓会でも全然話せなかったじゃん!」と開口一番言ってきましたが、彼女は高校時代に私の彼氏を奪った過去があるのです。今さら仲良くなんてできるはずがありません。
「ごめん、忙しいから!」と言って電話を切ろうとすると、同級生は「あ、まさか旦那さんのためにごはんを作るので忙しいとか~?」「結婚してるんでしょ?」となんだか見下したように言ってきたのです……。
同級生が連絡してきた理由
「でも、今日のごはんなんて作る必要はないんじゃないかしら?」という同級生に、「どういう意味?」と尋ねると、こんな答えが返ってきました。
「だって、あんたの旦那さん、今夜は私と一緒にごはんを食べるんだも~ん!」「実は私、あんたの旦那と付き合ってるんだよね~」
ため息をつきながら、私は「どうしてそんなことを?」と尋ねました。すると、「高校のときみたいに、あんたの絶望する顔がまた見たくなったからよ」「ほらほら、取り乱しなさいよ!」と同級生。
「大人になると毎日仕事ばっかりでつまらないし、何かおもしろそうなことしたかったんだよね~」「そしたらちょうど、あんたが結婚してるって同窓会で聞いたから、また奪っちゃった♡」「ねぇ、今どんな気持ち?また私に好きな人を奪われて、どんな気持ちなのか教えてよ~!」
夫との浮気を自慢してくる同級生
再びため息をついて、「最低な理由だね」「高校時代から何も変わっていないのね」と言った私を、あざけるようにクスクスと笑う同級生。
「高校時代みたいにアンタの旦那さんと浮気してるの♡」
「私に2回も略奪されるなんて思わなかったでしょ~w」
「うん、知ってるけど?」
「え?」
実は、半年ほど前から元夫と同級生が付き合っていることに気づいていた私。挙動不審な夫のあとをこっそりつけたところ、浮気相手が同級生だということはすぐにわかりました。
その前からすでに元夫との離婚を考えていた私。その後は浮気の証拠を集めるために奔走し、元夫の有責で離婚することとなったのです。
「え、もう離婚したの!?」「私はあんたの絶望する顔が見られたらそれでいいのよ、あんたの旦那と結婚するつもりなんてなかったのに」と驚いている同級生。
「でも元夫は今日からあなたと同棲だ!って浮かれて荷物をまとめて出て行ったわよ」「私のお古で悪いけど、稼ぎは年収1000万はあるからさ」と言うと、再び同級生は驚きの声を上げました。
離婚の本当の理由とは……
「本当はそんなつもりなかったけど、年収1000万もあるなら話は別よ!」「私は今日から勝ち組じゃない!」と浮かれる同級生。
「そうだね、勝ち組になれるようにがんばってね」「元夫には年収以上の借金があるから、とりあえずはそれを返し終わってからかな?」
そう、私が離婚を考えた本当の理由は、元夫のギャンブル癖にありました。そこそこ稼いではいるものの、どんどんギャンブルに注ぎ込んでいってしまうのです。膨らむ借金に頭を抱えた私は、どう離婚を切り出そうか悩んでいました。
そんなときに、元夫の浮気がわかり、さらにまた同級生だと気付き、証拠を集めるために泳がせていたのです。……まさか、こんなに都合のいいタイミングで浮気をしているとは思いませんでした。おかげで離婚話はスムーズに進みました。
その後――。
元夫は私と離婚したその足で、事前に同級生に書かせていた婚姻届を提出。同級生も引くに引けなくなったのか「借金さえなくなれば勝ち組よ!」と言って、借金返済に奔走しているようです。
私はもらった慰謝料でその地を離れました。今は借金に頭を悩まされることもなく、悠々自適な暮らしを楽しんでいます。