美人だけど性格が最悪な姉
早くに両親を亡くした私は、2つ年上の姉と共に祖父母に育てられることに。何不自由なく過ごせるようにといつも気をつかってくれる祖父母には、感謝してもしきれませんでした。けれども姉はそうではなかったようで……。高校を卒業したあと、姉は祖父母のお金を持ち出してどこかへ消えてしまったのです。
姉は美人でスタイル抜群だけれど、性格は最悪中の最悪。友だちの彼氏を略奪するのも当たり前だったので、いつの間にか友だちが1人もいなくなっていた……なんてこともありました。
祖父母の家を出たあとに姉がどこで何をしていたのかは、私も祖父母もまったく把握していませんでした。
彼と出会えて幸せの絶頂！
一方の私は、少しでも自分で生活費を稼いで自立を目指そうと思い、高校を卒業してからカフェに就職。働き始めて数カ月が経ったころ、カフェの常連客である彼と出会いました。
その後、彼の猛アプローチを受けて付き合い始めることになり……交際開始から1年が経った記念すべき日に、晴れて結婚式を挙げることになりました！
そんな中迎えた結婚式当日、私の花嫁姿を見た祖父は大号泣。そばにいた祖母や私もつられて涙が止まらなくなってしまって……。その場にいた義両親もとてもやさしくて素敵な人たちで、私たちは温かい雰囲気の中、挙式を終えることができました。
お祝いムードがぶち壊し！？
しかし、その後の披露宴でとんでもない修羅場を迎えることに……。なんと、披露宴会場に足を踏み入れると、そこには10年以上音沙汰がなかった姉がいたのです！
姉はニヤつきながら「結婚おめでとう♪」と言ってきたのですが……よく見てみると、姉が着ているのは純白のドレス。結婚式のルールとして「白のドレスは花嫁だけが着られる」というのが定番ですが、姉は「私が主役よ」と言わんばかりに、純白でゴージャスなドレスに身を包んでいました。
あまりに予想外の展開に、私は動揺を隠せません。隣にいた夫が「いざとなったら俺が守るから！」と頼もしい言葉をかけてくれるまで、その場から動けませんでした。その後、私は気持ちを切り替えて披露宴に臨みます。しかし、なんとなく嫌な予感がして、披露宴の最中は目の端で無意識に姉を追っていました。祖父母もどこか落ち着かない様子です。
そして……その嫌な予感が見事に的中！ 披露宴が終盤に差しかかったとき、司会の方が「それではここで、プログラムにはありませんが、新婦のお姉さまからサプライズのスピーチがございます！」と告げたのです。
私はそこで、姉が絶対に空気が読めないことを言い出すと思いました。そして実際に、姉は「ブスな妹で恥ずかしいｗよく結婚できたねって内心驚いておりますぅ～ｗ」などと、私をけなす言葉を連発したのでした。
姉に反撃してくれたのは…
私は怒りと恥ずかしさと悲しさで、プルプルと震えていました。招待客たちもザワザワと騒ぎ出しています。そんな最悪な空気の中、声を上げたのは夫でした。彼は笑いながら姉に「本当にブスですよね〜w」と返したのです。姉は自分の意見に賛同してもらえたと思い、「察しがいいのねアナタ！」とご満悦な様子です。
けれども、彼は続けて「いやいや、お義姉さんのことを言ってるんですよw あなたみたいに心がブスだと、なかなか結婚できるパートナーも見つからないでしょうねw」と発言！ なんと彼は私にではなく、姉の心に対して「ブス」だと告げたのでした。
彼に言い返されて面目丸潰れな姉は、悔しそうに披露宴会場から去っていきました。彼女がいなくなったあと、披露宴は仕切り直され、和やかな雰囲気で終わることができました！
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