こんにちは、助産院ばぶばぶのHISAKOです。なかなか母乳育児が軌道に乗らずに混合を続けているママも多いと思います。できれば、完全母乳を目指したいと思っているママたちに、ミルクをあげるタイミングについてお話しします。
おっぱいをあげてからミルクが基本
母乳分泌量を増やすには、赤ちゃんが真剣におっぱいを吸ってくれてこそです。そのため、母乳寄りの混合栄養、もしくは完全母乳にしていきたいなら『おっぱいをあげてからミルクを足す』が基本です。
「でも、ミルクの前に先におっぱいを与えようとしても、赤ちゃんがギャン泣きしていやがられることがあり、切なくなります」
このようなパターンでは、まるでママの存在そのものを全否定されてるようにさえ感じられて本当につらいですよね。拒否されるのがこわいから、ついおっぱいをあげる前にミルクを与えてしまうこともあるかもしれません。それが、正当な科学的根拠に基づく理論と、現実的なママの心情を加味した思いとのギャップというものなのです。
混合を続けるママはエライ!
いやがっているのに、無理やりおっぱいをくわえさせようとするのは自己満足なんじゃないだろうか? いっそのこと、完全にミルクに切り替えてしまったほうが楽になれるんじゃないか? そんな思いもよぎりますね。
たしかに混合栄養は、完全母乳・完全ミルクの場合と比べて物理的に余計な時間を費やします。どれぐらいの量のミルクを補足すればいいのか? どのように進めていこうか? と、頭も悩ませることになり、心身ともに疲れます。そういう意味では、混合栄養を続けているママはエライ!とわたしは思います。
完全母乳は偶然の結果
母乳育児は偶然の結果論です。ミルク育児は悪ではないですし、混合栄養はママが赤ちゃんを思って、必死にがんばっている証です! おっぱいは、さまざまな環境が許すの場合に、細々とでも続けていくことに価値があるものです。
赤ちゃんが、ミルクの前のおっぱいを拒否するようになったときは、いったん理想論から離れてみませんか? ママと赤ちゃんが笑顔でいられるのなら、ミルクが先で、デザートのおっぱいでもいいんじゃないでしょうか? 母乳とミルクの順番が逆であっても赤ちゃんがゴキゲンでおっぱいをくわえてくれることがあるんだったら、そこをOKラインにしてみませんか?
赤ちゃんとの笑顔の時間など、もっとも大切なことを見失わないようにしましょうね。
総合病院小児科・産婦人科・NICU病棟勤務を経て、地域での助産師活動・出張専門助産院を開業。2006年には来院ケアも可能な「助産院ばぶばぶ」をオープン。2016年に11人目を出産し、ママたちに元気と勇気をおすそ分けすべく母乳育児支援や講演活動、書籍出版など多岐にわたって活動中。